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池上彰のやさしい経済学

経済学とは、そもそも何のための学問なのだろうか? 著者が解説~池上彰氏(1)

2012/4/20

経済学とは「選択の学問」である
何かを選択することは、別の機会を捨てていることでもある

経済学とは何か。それは、資源の最適配分を考える学問です。世の中のあらゆる資源に無限のものはありません。たとえば天然資源で言えば、鉄鉱石や石炭、あるいは石油や天然ガスなどを考えてみても、資源というのはみんな限られていますね。その限られている資源をどのように有効に使えば、私たちの暮らしが少しでもよくなるのだろうか。それを考えるのが経済学です。

つまり、経済学というのは選択の学問と言っていいでしょう。あらゆる資源は必ず限られている、有限であるという「資源の希少性」という考え方があります。限られた資源をどう選択するのか、それが経済学と言えます。

そして、何かを選択しているということは、それ以外のことを捨てていることになります。その捨てているもの、これを「機会費用」と言います。何かを選択することによって、別の貴重なチャンス、すなわち「機会」を捨てている、その費用を払っている、こういう考え方もできるのです。

機会費用を企業の経済活動に当てはめて考えてみます。ある自動車会社が新しく生産ラインを作るとします。その生産ラインで、中型車を作るのか、小型車を作るのか、あるいは軽自動車か高級自動車か選択します。

どれか1つを選ぶということは、それ以外の種類の自動車を作るチャンスを捨てるということです。ひょっとしたら、ほかの車種のほうが売れるかもしれない、そのチャンスを失うわけです。でもそのチャンスを失っても、選択した車種のほうが儲かるという計算があるから、それを選択したわけですよね。

このように、企業経営者は常に無意識のうちに機会費用を考えているということです。ある意味、「捕らぬ狸の皮算用」みたいな、そんな感じがあります。失敗すると「隣の庭の芝生は青いな…」と思ったりもするわけですね。

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