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「お金はなぜお金なのか?」「資本主義は失業者を生み出す?」「産業の空洞化って何?」。経済学の基礎知識を身につければ、最新ニュースも驚くほどよくわかります。

わかりやすい解説でおなじみの池上彰氏が2011年に京都造形芸術大学で客員教授として経済学の基礎講座を行いました。BSジャパンやテレビ東京で放送され話題となった同講義は、「池上彰のやさしい経済学」1巻・2巻として書籍に完全収録されています。

「出世ナビ」チャンネルではそのエッセンスを10回に分けて連載した日経Bizアカデミーの記事を順次再公開します。講義は学生向けですが、経済のしくみについて理解を深めたいビジネスパーソンにもおすすめです。

経済の語源は中国語の「経世済民」

経済」という言葉は、明治以降に日本で生まれた、つくられた言葉です。それまで経済という言葉はありませんでした。明治維新で日本が鎖国を解くと、海外からいろいろな言葉が入ってきましたが、「エコノミー」という言葉もこのとき入ってきて、これを何と訳そうかということになりました。

いろいろ考えた結果、中国に「経世済民」という言葉がある、じゃあこれを使おうかということになりました。

経世というのは「世を治める」の意味です。「済民」は「民を救う」という意味です。世を治め民を救う、この4文字の言葉から「エコノミー」は「経済」と訳したらどうかということになり、そのまま経済という言葉として定着しました。

実は「経済」とは別に、もうひとつ訳がありました。「理財」です。「理」というのは「ことわり」、理論ですね。「財」は財産。商品やお金と言ってもいいでしょう。お金の流れ方を調べるという意味で「理財」という訳もつくられたんですね。

このように「経済」と「理財」という2つの言葉が生まれたのですが、いつしか「経済」を一般的に使うようになりました。いまでも年配の方には「理財」という言葉を使う人がいます。

現在、経済学は「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」、大雑把にこの2つの分け方で考えるようになっています。マクロ経済学は、たとえば景気が悪いときに政府はどんな対策をとればいいのだろうかという、大きな経済のメカニズムを考える学問です。

一方、ミクロ経済学というのは、私たち消費者や家計がどのような消費行動をとるのか、また生産や雇用など企業がどのような行動をとるのか、細かいメカニズムや法則性を見つけて分析する学問です。

この講義では、マクロとミクロの両方をとりあげますが、あまり難しい概念を使うことなく、みなさんに経済学的なものの見方を教養として身につけてもらう、そういう趣旨でお話をしていきます。

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