変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

NK貿易では事業の停滞のため、なかなか赤字から抜け出せません。社長以下、皆何とか収益を上げるために腐心するのですが、名案が浮かびません。

そこで、社長が奇策を繰り出します。それが良案であれば問題はありません。しかし…ビジネスにおいては自分の意思表明が大切です、上手に「賛成」の気持ちを表せますか?皆が知っているI agree with you. 以外にも使い勝手のよいフレーズがあります。

イラスト Dセイン

イラスト Dセイン

Part 1
Tanaka: We've got to get out of the red. Does anyone have any ideas?
Mariko: How about this? We put up parking meters and charge customers for parking.
Tanaka: That's a great idea! We can make a lot of money from that.
Sally: But what about the customers? They're not going to put up with that.
  Ito: They're going to think we're cheapskates.
Tanaka: We'll tell them the parking space belongs to someone else.
Mariko: I'm with you on that. They'll never know.
Tanaka: Okay, is everyone in agreement? Yes? Okay, it's decided.
【対訳】
田中社長: 我々は、赤字から抜け出さなくてはならない。誰か、何かよいアイデアは?
真理子: こんなのはどうでしょうか? パーキングメーターをつけて、駐車料金を顧客に請求するというのは。
 社長: そりゃあ、良い考えだ! そこから大きなお金が得られるぞ。
サリー: でも、お客様はどうなります? そんなことには耐えられないでしょう。
 伊藤: 皆、この会社のことをしみったれだと思いますよ。
 社長: お客には、この駐車スペースは別の人の所有だと言うよ。
真理子: それ、賛成です。彼らには分かりませんから。
 社長: 皆賛成だね? いいね? じゃあ、決まりだ。

解説)

We've got to get out of the red.: 赤字から抜け出さなくてはならない。

*'ve got to = have got to = have to

the red 赤字

Does anyone have any ideas?: 誰か何かいい考えはないか?

*ideas: 考え、アイデアのこと。この場合単数のideaにすると「理解、認識」の意味になり、「理解している? 分かっている?」という相手に対する非難に聞こえる場合があるので、要注意。

▼ charge … for~: …に~の対価として(支払いなどを)要求する

▼ put up with: ~に耐える、我慢する

▼ cheapskate: しみったれ、ケチ

▼ I'm with you on that.: その件についてはあなたに賛成します、同意します。

*I'm with you. は「賛成/同意する」を表し、会議などでも使い勝手のよい表現です。「きちんと聞いています/分かっています」と言う場合にも使われます。

▼ They'll never know.: 彼らは決して知ることはないだろう。

▼ in agreement: 意見が合って、一致して

Part 2
Tanaka: What happened? Why did our sales drop?
Mariko: It's anyone's guess.
 Sally: One of our clients said he doesn't like paying for parking.
Tanaka: Really? That was the reason?
 Sally: I saw this coming.
Tanaka: Well, why didn't you speak up when I proposed the idea?
 Sally: It was just easier to agree.
Tanaka: So you were going along to get along?
 Sally: If we disagree, you lose your cool.
Tanaka: No, I DON'T! I never get angry!
  Ito: Oh, really?
【対訳】
 社長: 何があったんだ。何故売り上げが落ちているんだ?
真理子: さあ、分かりません。
サリー: お客様のひとりが、駐車料金を払いたくないって言っていましした。
 社長: 本当なのか? それが理由か?
サリー: やっぱりね。
 社長: じゃあ、何で私が発案したときに反対しなかったんだ?
サリー: 賛成する方が楽だったからです。
 社長: じゃあ、波風立てないために同意していただけなのか?
サリー: だって、もし私たちが反対したら、カッとするでしょう。
 社長: ない、絶対にない。絶対カッとなんてしない!
 伊藤: えー、本当かなあ?

解説)

▼ It's anyone's guess.: さあ、分かりません。

* 「それは誰の推量でもある/予想困難なこと」すなわち、「分かりません」。

▼ I saw this coming.: やっぱりね。

* 直訳すれば「これがやって来ることは見えていました」すなわち「やっぱりね、そうなると思っていた」の意味になります。

▼ speak up: 大きな声で話す、自由に主張をする

▼ go along to get along: うまくやる/仲良くするために賛成する

* go along: 賛成する   get along: 仲よくする/うまくやる

▼ lose one's cool: 冷静さを失う/カッとする

セインのビジネスひと口メモ

皆さんのご想像通り、アメリカには新入社員が合宿して、スキルや専門知識の他に精神論を叩きこまれるというイメージはまるでありません。

アメリカにはメンター制度があり、多くの学生は実社会に出る前にインターンとして実際に仕事を経験していきます。まさにOJT on-the-job training「実地訓練、研修」になります。またアメリカにはmentor system「メンター制度」が根付いており、ひとりの新人に対して、1対1の指導をするメンター「指導者、先輩」がつきます。この制度であれば、わざわざグループ研修をする必要もなく、個人のスキルや要望に即した訓練を行っていくことができます。アメリカにおける「メンター制度」は古いのですが、最近では、このシステムを採り入れている日本企業も増えています。

You can do it!

:D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は5月26日の予定です。
デイビッド・セイン(David Thayne)
米国出身。累計売り上げ部数350万部の著作を刊行してきた英語本のベストセラー著者。英会話学校経営、翻訳、英語書籍・教材制作などを行うクリエーター集団「エートゥーゼット」(www.smartenglish.co.jp)の代表を務める。日本で26年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまでに教えた日本人は数万人にのぼる。日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発している。
 東京・文京区のエートゥーゼット英語学校の校長を務めるとともに、英会話教育メソッド「デイビッド・セイン英語ジム」(http://www.david-thayne.com)の監修も行っている。主な著書に、「チームリーダーの英語表現」(日本経済新聞出版社)、「ネイティブが教える英語の語法とライティング」(研究社)などがある。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック