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突然消えた、年次有給休暇のミステリー

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NIKKEI STYLE

日経ウーマンオンライン

こんにちは。社会保険労務士 佐佐木由美子です。年次有給休暇を使って旅行を……と思っていたら、あると思っていたはずの年休が消えてしまっていた! という香澄さん。一体、どういうことでしょうか。

私の年休が消えた!

今の会社に入社して、8年目の香澄さん(33歳)。昨年、友人に誘われて初めて海外へ行きました。行き先は、地中海に浮かぶマルタ島。リゾート地としても名高い場所ですが、目的は語学を学ぶためのショートステイ。生まれて初めての海外、それも語学留学という経験は、香澄さんにとって非常に新鮮で、今年も絶対に行こうと決めていました。

頼みの綱は、手持ちの年次有給休暇(以下「年休」といいます)です。それまで年休を使うことがほとんどなかったので、あとどのくらい残っているか、まったく気にすることはありませんでした。しかし、今年も旅行で2週間も会社を休むとなると、自分の年休はどのくらい残っているのか、急に気になり出しました。

香澄さんの会社は、毎年4月に年休が一斉に付与される制度になっています。昨年は40日あったので、今年も40日あるだろうと思って勤怠システムをチェックしてみたら……なんと、20日しかありません。

「えっ……?」 香澄さんは目を疑いました。あると思っていたはずの、あと20日の年休はいったいどこへ消えてしまったのでしょうか。

繰り越し分と今年分の年休、どちらから使用するか

実は、年次有給休暇には「時効」があります。そのため、会社から与えられた年休を、いつまでも大切に取っておくことは、残念ながらできません。

年休に関する消滅時効は、労働基準法第115条の規定に基づき、2年間と解されています。したがって、前年度に付与された年休のうち、使っていない分は、今年に繰り越されることとなります。つまり、今年度利用できる年次有給休暇は、昨年の繰り越し分と、今年新しく付与される分の合計となります。

そこで問題となるのは、そもそも年次有給休暇は、今年度分と繰り越し分、どちらから先に使用するか、ということです。ところが、これについては、法律において明確な定めがありません。

そのため、就業規則や労働協約において、特別の定めがある場合には、そのルールに従い、特別の定めがない場合は、繰り越し年休分から先に使用するのが一般的な考え方とされています。

繰り越し年休分から先に使用する一般的な場合は、次のように考えます。たとえば、今年度11日付与され、昨年度まったく年休を利用せずに10日間繰り越されたとしましょう。そのときは11日+10日で21日分の年休が与えられます。そして、今年度合計で7日を使ったときは、昨年度の10日分から先行して利用することになります。翌年度に新たに12日付与される場合、繰り越せるのは前年度の11日分となり、12日+11日で23日となります。

ところが、「今年度に付与された年次有給休暇から使用する」というルールが設けられている場合は、どうなるでしょうか。上記の例で、同じように今年合計で7日を使うとしましょう。この場合、当年の11日分のところから7日利用するので、残りは4日です。つまり、繰り越せるのは4日分となり、翌年度に12日付与されたとしても、12日+4日で16日となってしまうのです。

今年度と昨年度、どちらから先に利用するかどうかの違いで、付与される日数に大きな違いが生じます。このケースでは、7日間も利用できる日数に違いがあることが分かります。

疑問に思ったら会社ルールの確認を

年休の付与日数に疑問を持った香澄さんは、会社の担当部署に問い合わせてみました。そのとき告げられたのは、会社の就業規則で、年休は今年度の発生分から利用することになっている、ということ。そこに、消えた年休のトリックがあったのです。

香澄さんは、昨年度にちょうど20日間の年休を使っていました。その年度分から利用する規定であるため、20日ある年休をすべて使いきったことになります。そのため、繰り越せる年休が1日もなく、結果として今年新たに付与される20日分しかもらえなかったのです。

今まで、年休をほとんど利用してこなかったため、改めてこういった仕組みがあることを知って驚いたという香澄さん。確かに、滅多に年休を使うことがないと、よくよく社内のルールを確認しようとまでは、思わないかもしれません。

このように、意外と知っているようで知らないワークルールは、私たちの身近に潜んでいます。一見すると、「おかしいのでは?」と思うことが正しかったり、「当たり前」だと思っていたことが、正しくなかったり……。疑問に思うことがあれば、チェックする。そうした習慣を身に付けると、よいかもしれませんね。

佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、【働く女性のためのグレース・プロジェクト】でサロン(サロン・ド・グレース)を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌、ラジオ等多方面で活躍。

[nikkei WOMAN Online 2016年5月10日付記事を再構成]

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