手の痛み、放置は厳禁 指が曲がったままになることも

日経ヘルス

2016/7/3
PIXTA
PIXTA
日経ヘルス

出産前後の手の痛みはホルモン分泌が戻ると自然に消えるが、更年期前後の痛みは要注意。「加齢で組織が硬くなっているところに日常動作で力が加わり続けることで、時とともに変形が進む」(四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンターの平瀬雄一センター長)

一方、若い世代はささいなケガに注意を。「若いと、むしろ靭帯などの組織が柔らかいがために、手を強くひねったりした拍子に亜脱臼などのケガをしやすい。動かさなければ我慢できる痛みだからと放置すると、ゆるみが残り、要手術になることがある」(NTT東日本関東病院整形外科の大江隆史主任医長)。

以下では、手と手首に痛みが出る主な病気をまとめた。

【へバーデン結節/ブシャール結節】 指の関節が腫れて痛む

原因不明で指の関節のすき間が狭くなったり関節が変形したりする。初期は腫れや熱感が主症状。第一関節に起こるものをへバーデン結節、第二関節をブシャール結節と呼ぶ。

(イラスト:三弓素青、写真提供:四谷メディカルキューブ)

【ばね指】 指を曲げる腱が炎症を起こす

指を曲げる腱(屈筋腱)は浮き上がりを抑える靭帯性腱鞘というトンネルを通っている。腱とこの腱鞘との間で炎症が起こると、腱の動きがスムーズでなくなり、ばね指が起こる。

(イラスト:三弓素青、写真提供:四谷メディカルキューブ)

【手根管症候群】 手関節部分にある神経が圧迫されて痛む

手のひらから手首にかけて通っている正中神経が、やはり手のひらにある横手根靭帯などから成る手根管というトンネルで圧迫されるために、その先の指にしびれや痛みが起こる。

(イラスト:三弓素青、写真提供:四谷メディカルキューブ)

【ドケルバン病】 親指を動かす腱が炎症を起こす

手首の親指側にある親指を広げる腱と、親指を伸ばす腱の2本が炎症を起こし、腱鞘という腱を通すトンネル部分で、この2つの腱がスムーズに動けなくなるため腫れや痛みが起こる。

(イラスト:三弓素青)

………………………………………………………………………………

【30代、40代に多いけが】

靭帯などの組織がゆるんで傷む「CM関節症」と「TFCC損傷」

CM関節は親指の付け根の関節、TFCCは手首の小指側の内部にある靭帯や軟骨が集まった組織。いずれもささいなことでゆるみ、損傷しやすい。「すぐ受診すれば約3週間の固定でほとんどは治る」(大江主任医長)

(イラスト:三弓素青)

【40代以降の手の骨折】

手の骨折は骨粗しょう症の最初のサイン

女性ホルモン減少に伴い、骨粗しょう症と骨折リスクが上昇。「最初に骨折しやすいのが前腕にある橈骨(とうこつ)。45歳を過ぎたら一度骨密度検査をし、低めなら食事の見直しや運動で転倒予防を」(大江主任医長)

(イラスト:三弓素青)

■この人たちに聞きました

大江隆史さん
NTT東日本関東病院(品川区)手術部長、整形外科主任医長。日本整形外科学会・日本手外科学会専門医。東京大学医学部卒業後、同大病院助手、同整形外科医局長、名戸ヶ谷病院整形外科部長等を経て2015年より現職。ロコモの啓発にも注力
平瀬雄一さん
四谷メディカルキューブ(千代田区)手の外科・マイクロサージャリーセンター長。日本手外科学会専門医。日本形成外科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業後、渡米しHarry Buncke教授に師事。帰国後東京慈恵会医科大、埼玉手外科研究所を経て2010年より現職

(ライター 渡邉真由美、構成:日経ヘルス 黒住紗織)

[日経ヘルス2016年6月号の記事を再構成]