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選ぶ結婚 事実婚と法律婚は何がどう違うのか

日経ウーマンオンライン

2016/5/24

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こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの前野彩です。

入籍していない夫婦関係、これが「事実婚」です。前回の記事では、事実婚と同棲が異なることについてお伝えしました。では、入籍した法律婚と、入籍しない事実婚では、何が違うのでしょうか。

基本的には、入籍した夫婦もしていない夫婦も同等の権利と義務があり、社会保険や世の中のサービスも利用できます。ただし、税金面では事実婚のデメリットが存在するのが現状です。

次の表に、その違いをまとめました。

事実婚でも法律婚と同じくパートナーの扶養に入ることもできますし、遺族年金などの受取人にもなれます。住宅ローンを夫婦で組むことができるし、携帯電話や自動車保険の家族割引も使えます。

ただし、既にお伝えした通り、事実婚のパートナーは法律が認める「配偶者」ではないので、妻が専業主婦の場合、配偶者控除や配偶者特別控除を使えず、夫の税金負担が増えるというデメリットがあります。ただし、事実婚を選択する女性は、自分も働き収入がある人が多いようです。その場合、入籍の有無にかかわらず配偶者控除等は必要性がないのが現状でしょう。

お互いを生命保険の受取人にしたい場合は、事実婚でも受取人になれる保険会社を選ぶことで解決できます。また、離婚時の年金分割はできませんが、夫婦共に厚生年金に加入している場合は、分割できなくても個人の老後の厚生年金は確保されています。

ということは、事実婚で困ることは、相手が亡くなった場合の相続だけです。

■事実婚でパートナーが亡くなるとどうなる?

事実婚のままでは、お互いのもしもの際に、自動的に財産を相続する権利がありません。そこで、遺言が最大の対策になります。遺言を書いておくことで、事実婚でも相手に財産を残すことができるのです。ただしその場合は、受け取ることはできますが、相続税が通常の2割増しになります。

実際、わが家も私がパートナーの死亡保険金受取人になっていますし、遺言もお互いに書いています。このように、事実婚は法律婚に比べて、不利な面はありますが、きちんと知ることによって、対策を取ることができます。

■子どもができたら、戸籍はどうなるの?

最後に、事実婚でもうひとつよく受ける質問をご紹介します。それは、「子どもができたらどうするの?」ということ。

入籍をしていない妻から産まれた子供は、母親の戸籍に入ります。そのままでは、父親が空欄になるので、父親が「認知届」を出すことで、父親との法的な関係ができます。

また、このままでは子どもの姓は母親の姓になります。もしも父親の姓を名乗らせたいと思う場合は、父親がその子を養子にすると、父親の姓を名乗ることができるようになりますよ。

ちなみに、わたしが事実婚を選択したのは、「誰と一緒に人生を歩むか、はプライベートなことなので、あえて国に届けなくてもいいだろう」という思いからです。そして、その考えを受け入れてくれたパートナーやその家族、友人には感謝しています。

これから結婚を考える機会が増える皆さんは、これからの結婚にはいろんな選択肢があることを知って、自分が望む人生をつかんでくださいね。

前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャル・プランナー。中学校・高校の保健室の先生を経て、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経てFPに転身。自らの住宅ローンで800万円、生命保険で1000万円の見直しを行った実績を持つ。「お金の安心と可能性をかたちにし、心の自立と輝く明日をつくる」ことを理念に「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を働く女性や子育て世帯に伝えている。講演やテレビでも活躍中。著書多数。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ ―書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)、『家計のプロ直伝!ふるさと納税新活用術』(マキノ出版)、『危うくムダなお金を払うところでした』(産経新聞出版)。

[nikkei WOMAN Online 2016年4月25日付記事を再構成]

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