東京五輪の次は「国際会議」 全国にホールの新設計画出席者の消費に期待、中国などアジア勢と誘致で競合も

京都国際会館は国際会議が開ける大規模な多目的ホールを新設する(京都市左京区)
京都国際会館は国際会議が開ける大規模な多目的ホールを新設する(京都市左京区)

訪日外国人客(インバウンド)が年2000万人を突破するなか、日本各地で国際会議を誘致する動きが広がっている。1人当たりの消費額が大きく、2020年の東京五輪・パラリンピック開催という知名度アップも追い風だ。ただ、中国などアジア各国の追い上げも激しく、国はインバウンド誘致の新たな柱に位置づけようと、オールジャパンで誘致に取り組む体制を作る。

8月中旬、2020年4月に「国連犯罪防止・刑事司法会議」(コングレス)が京都市で開催されることが決定した。約150カ国から4千~5千人が参加する。会場となる国立京都国際会館は1997年に温暖化防止の国際的な枠組みである「京都議定書」を採択した場所だが、国連主催の大規模国際会議は23年ぶりだ。

同会館は会議の誘致強化に向け、多目的ホールを建設中。床面積は2000平方メートル、最大収容人数は2500人で、18年10月に稼働する。全館を利用すれば、1万人超の大型会議も可能になる。

訪日客数が伸びる一方で、消費額の伸びは鈍化している。次の一手として注目を集めるのが国際会議や見本市などMICE(マイス)と呼ばれる分野だ。

国は6月に閣議決定した成長戦略にMICE誘致を盛り込み、8月には省庁横断で戦略の中間報告をまとめた。観光庁MICE推進担当の井上学参事官は「各省庁と関係機関、地域が一体となる体制ができた。これからオールジャパンで誘致に取り組む」と強調する。

国が本腰を入れるのは経済効果が大きいため。会議後の観光や帯同する家族などの消費も期待でき、京都市が実施した調査では、国際会議参加者の消費額は一般の外国人観光客の1.8倍に達する。観光庁の調査では15年の国際会議による全国の経済波及効果は5905億円、5万4千人の雇用創出効果があった。

東京五輪・パラリンピックも追い風となる。日本政府観光局は「五輪・パラリンピックを契機に日本の露出が高まるうえ、成功裏に開催されれば運営能力の高さもアピールできる」(コンベンション誘致部)という。数年前から準備することを考えると、五輪後をにらんだ誘致では今が重要な時となる。

国際会議の開催件数は欧米がトップを占め、日本はここ数年7位。成長市場のアジア・オセアニアではかつては半分以上あったシェアが3割を切った。特に、中国は五輪や万博開催でインフラ整備が進み、経済成長による産業展の開催なども相次ぎ日本に並んでいる。

そこで、日本も市場規模を把握して目標を設定。世界の都市と戦えるよう、横浜や福岡など12市と関係機関が10月にも都市力強化の対策本部を作る。他国に比べて日本では誘致に取り組む都市が多く「互いにライバルではあるが、ノウハウを共有し、国際チームとしてより強い都市を作る」(井上参事官)狙いだ。

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各地で施設整備、カジノと連動も