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通訳ガイドも「シェア」 HIS、外国人観光客と橋渡し 規制緩和生かし、国家資格持たない人も登用

2017/7/6 日本経済新聞 朝刊

通訳案内士の国家資格を持つ人材は限られており、外国人観光客のニーズに追いつかなくなってきている

旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は、外国人観光客と日本人の通訳ガイドを仲介するサービスを2018年春から始める。通訳案内士の国家資格を持つ人だけでなく、規制緩和で認められるようになる無資格ガイドも登用。空いている時間にそれぞれの担当地域を案内してもらう。モノやサービスを共有する「シェアエコノミー」の裾野が広がってきた。

20年の東京五輪・パラリンピックに向けて、外国人観光客が一段と増えることが予想されている。リピーターほど地方に関心を持ち、日本人との交流を求める傾向がある。だが現行法のもとでは報酬を得てガイドをするには通訳案内士の国家資格が必要で、そうした外国人観光客のニーズに追い付かなくなっている。そこで無資格者にも有償ガイドを認める改正通訳案内士法が5月に成立した。18年3月までに施行される見通しだ。

これを受けて、HISは外国人観光客とガイドをマッチングするサイト「トラビー」を立ち上げる。チャット機能を使って待ち合わせ場所などを打ち合わせてもらう。電話相談の窓口も用意する。ガイドの報酬は外国人観光客による評価などにより変わるが1時間あたり平均3千円前後を検討。8割をガイドに渡し、2割をHISが仲介手数料として受け取る。

ガイドは通訳案内士の有資格者と無資格者を合わせて、500人の登録を目指す。サイトにはガイドの顔写真と対応できる言語、地域を表示するとともに、外国人観光客が5段階でガイドを評価する欄も設ける。ガイドの登録は自由だが、HISが面談して語学力や接客力、観光知識が一定水準以上なら認定マークを付与するほか、定期的に講習を開いて質を高める。HISが全国約500の観光プランも作り、ガイド情報と一緒に英語や中国語、韓国語でサイトに載せる。

通訳案内士の資格を持っているガイドは4月1日時点で2万2754人いる。観光庁の調べでは業務の頻度が年に10回以下の人が4割を占めており、マッチングサイトができれば活躍の場が広がる。また資格を持っていないものの、語学の知識が豊富でガイドに意欲のある人材の登用にもつながりそうだ。

[日本経済新聞朝刊2017年6月29日付を再構成]

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