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メキシコ選手団、広島県に勢ぞろい マツダ進出決め手 ほぼ全市町がホストタウン申請、事前合宿など受け入れ

2017/6/6 日本経済新聞 朝刊

広島県の湯崎英彦知事(左から2人目)とメキシコオリンピック委員会のカルロス・パディージャ会長(中央)

広島県は2020年の東京五輪で、メキシコから全競技の選手団の事前合宿を受け入れる。12年ロンドン五輪で金メダルのサッカーなど26競技で出場の可能性があり、このほど離島の1町を除く県内全22市町のホストタウン登録を国に申請した。各地の自治体が海外の選手団誘致を競っているが、市町単位がほとんどで全県あげては珍しい。広島本拠のマツダがメキシコに工場を新設するなど密接な経済関係が決め手になったようだ。

メキシコの五輪出場が予想される競技
サッカー(ロンドン金)、ダイビング(ロンドン銀・銅、リオ銀)、陸上(リオ銀)、競泳、柔道、体操、シンクロナイズドスイミング、自転車、フェンシング、ボクシング(リオ銅)、バドミントン、卓球、レスリング、テニス、ビーチバレーボール、バレーボール、ゴルフ、野球、ソフトボール、空手、バスケットボール、スポーツクライミング、カヌー、射撃、トライアスロン、ボート

(注)カッコ内は過去2回のメダル実績

事前合宿を受け入れる意向の市町
広島市、呉市、三原市、尾道市、福山市、三次市、庄原市、東広島市、廿日市市、府中町、坂町、安芸太田町、北広島町

(注)ほかの市町は選手らとの交流に注力

広島県は5月25日、メキシコオリンピック委員会(MOC)と東京五輪の事前合宿について基本協定を締結した。早ければ18年度に、予選大会などで広島を訪れて練習で使う見通しだ。

ホストタウンに登録された市町は国の財政支援を受ける。管轄する内閣官房によると「県内の自治体のほとんどが1カ国と登録するのは珍しい」。広島市、東広島市、坂町、福山市など13市町は国際基準に合う施設を持っており、事前合宿などのトレーニングを受け入れる意向。ほかの9市町は五輪に出場する選手らとの交流事業に力を入れる。

出場可能性がある26競技のうち、11競技は受け入れを希望する市町が1つだった。サッカーはエディオンスタジアム(広島市)、ゴルフは広島カンツリー倶楽部の八本松コース(東広島市)を使う。卓球、バドミントン、バレーボールなど15競技は複数の市町が望んでおり、MOCが現地視察をして絞る。

MOCのカルロス・パディージャ会長は記者会見で「(広島での事前合宿で)より良い環境で練習できる。平和を追求する姿勢にも共感した。人々の調和をうたうオリンピック憲章とも同じだ」と話した。

一方、広島県の湯崎英彦知事は「安心して準備をして東京五輪で良い成績を残していただきたい。母国で競技をするのと同じように日本で競技できるようにサポートしたい」と述べた。メキシコの五輪出場選手と県内の競技者との交流のみならず、文化、経済などの交流も深めていく方向。県は約300人の選手団が20日間滞在した場合1億3000万円の経済効果があると試算している。

メキシコにはマツダがグアナファト州に工場を新設したほか、県内の自動車部品メーカーも進出している。県は同州と経済交流で覚書を結び、14年11月には友好提携を結んだ。MOCのパティージャ会長は、広島以外の自治体からも誘致を受けていたが、マツダが進出したグアナファト州知事から広島を勧められ、広島県からも熱心な誘いがあったことが事前合宿地選定の決め手だったと明らかにした。

[日本経済新聞朝刊2017年5月24日付、26日付を再構成]

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