特区民泊、笛吹けど踊らず 整備負担など重く、様子見特区スタート1年 民泊はいま(上)

2017/2/16

オリパラSelect

民泊サイト運営「とまれる」が手掛ける大田区の物件は外国からの家族連れ客にも好評
民泊サイト運営「とまれる」が手掛ける大田区の物件は外国からの家族連れ客にも好評

国家戦略特区の規制緩和で、住宅の空き部屋などに有料で客を泊められる「特区民泊」が東京都大田区で始まって1年がたった。全国初の取り組みとして注目されたが、営業を認められた物件は30件足らずと当初の期待を下回る。物件オーナーが特区民泊に二の足を踏むのはなぜか。背景を探ると参入に立ち塞がる壁が浮かびあがる。

「キッチンも子どもを遊ばせる空間もあって助かる。また使いたい」。大田区の蒲田駅から少し離れた閑静な住宅街に建つ一軒家。実は特区民泊物件だ。シンガポールからやってきた一家は畳敷きの和室なども備えた部屋を満喫していた。

部屋を貸す事業者の申請第1号になった民泊サイト会社とまれる(東京・千代田)が手掛ける。三口聡之介社長は「予約が3カ月ゼロだったり、長期滞在があったりと最初は物件によってばらつきが大きかった。でも昨年10月以降は利用が安定してきた」と手応えを語る。

大田区は昨年1月29日に条例を施行し、申請受け付けを開始。当初は3月末までに100件を超す可能性があるとみて準備を進めていた。初回の説明会が立ち見も出る盛況だったからだ。大田区以外への広がりも見越し、全5回に全国から1千人超が集まった。

注目度の高さから区は地元への波及効果に期待を寄せた。商店街に対しては外国人向けの多言語の案内サイトや街歩きマップ、割引クーポンの導入を支援。都内で屈指の多さを誇る銭湯の組合には、体験入浴券などを用意してもらった。