訪日客増大にらみ埼玉・行田市でも観光ホテル誘致城跡や古墳群見学のベースに

緑地公園に隣接する立地にホテルを建設する
緑地公園に隣接する立地にホテルを建設する

埼玉県行田市は市内観光に便利なホテルを市街地に誘致する。市有地の売却先候補者としてこのほど事業者を決定。宿泊に特化したホテルを整備し、2017年夏の開業を目指す計画だ。市には古墳群などの歴史的な観光地がある一方で、客の受け皿となる宿泊施設が少ない。20年の東京五輪・パラリンピック開催での外国人観光客拡大を見据え、受け入れ施設の整備を急ぐ。

行田市が市有地の売却先候補者として選んだのは、深谷市など県北部や群馬県南部でホテルやゴルフ場、温浴施設を運営しているリゾート花湯の森(深谷市、石浦真一社長)。秋をめどに正式に土地の売却契約を結び、12月に着工予定だ。

ホテルを建設するのは市の中央部に位置する約3000平方メートルの敷地。大型の緑地公園に隣接しており、大型古墳が集まる埼玉(さきたま)古墳群や、映画「のぼうの城」で脚光を浴びた忍城(おしじょう)にも近い。市によると、これまで宿泊施設は市郊外や鉄道駅付近に多く、観光施設などが集まる市中央部にはほとんどなかったという。

計画によるとホテルは地上5階建てで、延べ床面積は約3000平方メートル。客室は104室で、大浴場も備える。約50人の従業員は行田市民を中心に採用する計画という。リゾート花湯の森の石浦社長は「歴史関連の観光に注目が集まっており、今後のニーズが見込める」と進出の理由を話す。年間で売上高約2億円を見込む。

行田市は歴史観光資源を生かして内外から客を呼び込む計画を掲げている。19年の主要観光施設の観光入れ込み客数を14年の15%増となる22万人に引き上げる狙いだ。今回誘致したホテルは城跡や古墳群などの施設の中心に位置し、周遊の拠点として活用してもらう考えだ。

[日本経済新聞朝刊2016年7月26日付]