大磯プリンスホテルを五輪選手村に神奈川県、セーリング競技で「分村」提案へ

県は「効率面やコスト、確実性の面から大磯プリンスホテルは分村に最適」と判断した
県は「効率面やコスト、確実性の面から大磯プリンスホテルは分村に最適」と判断した

神奈川県は2020年に開かれる東京五輪の選手村の一部を、同県大磯町の大磯プリンスホテルに「分村」するよう同五輪の組織委員会に近く提案する。同五輪のセーリング競技が行われる江の島(藤沢市)へのアクセスが便利で、選手らの受け入れ態勢が整っているのが理由。県は今後、分村の実現に向けて五輪組織委、プリンスホテルと具体的な協議に入る。

31日の県議会で黒岩祐治知事が答弁した。東京五輪の選手村は東京・晴海地区に整備される予定。県は同五輪のセーリング会場が江の島に決定した昨年6月以降、晴海から江の島までの距離が遠いことから、県内に選手村の分村を設ける方向で動いてきた。

江の島からのアクセスのよさや、参加が見込まれる約600人分の選手やコーチの宿泊施設、食事や洗濯など、分村として必要な条件から候補地を検討。県スポーツ局によると「跡地利用を検討する必要がなく、コストや確実性の面から、大磯プリンスホテルが当初から有力な候補地として挙がっていた」という。県は昨年6月から同ホテルと話し合いを続けてきた。

分村が認められるには国際オリンピック委員会(IOC)の承認が必要。県は東京五輪組織委とプリンスホテルで協議し、具体的な方針などをまとめた後、五輪組織委がIOCに承認を求めることになる。

東京五輪のセーリング競技は7月下旬~8月上旬に開かれる予定

東京五輪のセーリング競技は20年7月下旬~8月上旬に開かれる予定。分村がIOCに承認されれば、競技開始の1~2週間前から分村として開村するという。

黒岩知事は同日、東京五輪のセーリング競技開催に向けて、江の島に向かう「江ノ島大橋」の車線を増やす方針も打ち出した。橋は現在往復2車線だが、橋の中央にある車線の境界線を狭めるなどして、島に向かう道路を増やして3車線にする。

江ノ島大橋は以前から渋滞の解消が課題となっている。県土整備局が調査したところ、江の島に入ってすぐの場所にある駐車場に入る車が多いため渋滞が起きていることが分かった。車線を増やすことで駐車場を利用しない車を通して渋滞を緩和する狙いだ。今後、工事のスケジュールなどを詰める。

このほか、五輪に向けて江の島周辺に停泊中のクルーザーなどの大型船を県内のヨットハーバーに移動させることや、小型のヨットを保管する仮の施設を葉山港などに設ける方針を示した。

[日本経済新聞朝刊2016年6月1日付]

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