都内の訪日客、初の1千万人超え昨年、消費も1兆円突破、オリパラ控え拡大傾向

東京駅で乗降する訪日客も増えている
東京駅で乗降する訪日客も増えている

東京都は2015年に都内を訪れた外国人旅行者が前年比34%増の1189万人と、初めて1千万人を超えたと発表した。外国人の飲食や宿泊などの消費額も42%の大幅増で1兆1150億円と過去最高を更新した。20年開催のオリンピック・パラリンピック東京大会を控え訪日客は一段と増える見込みで、都内でも多言語対応など受け入れ体制の拡充が課題となる。

外国人旅行者の内訳は宿泊客が36%増の901万人、都内に宿泊しない日帰り客が29%増の288万人だった。1人当たりの平均消費額は宿泊客が10万~12万円台、日帰り客が約3万円だった。

東京都を訪れる外国人旅行者は東日本大震災のあった11年に31%減の409万人まで落ち込んだが、12年以降は4年連続で20~30%台の伸びが続く。中期的な円安傾向が追い風となっているほか、中国や東南アジア向けのビザ発給要件の大幅緩和、消費免税制度の拡充などの効果もある。

都は13年9月の五輪招致決定を弾みに、海外に向けた東京のPRや外国人の受け入れ環境の整備に力を注いできた。ただ言葉の壁や宿泊施設の不足などは依然として大きな課題として残る。

昨年は飲食店や宿泊施設向けに英語・中国語・韓国語の3カ国語による24時間対応の電話通訳サービスを開始。外国人客との意思疎通に困ったときに使えるようにした。特に外国語ができるスタッフが少ない、小規模な施設の対応力の向上を狙う。

街中で困っている外国人を見かけた際に、声をかけて道案内などをする「外国人おもてなし語学ボランティア」の育成も今年度から本格化する。鉄道駅などの案内板を、多言語や絵文字併記にしてわかりやすくする改修や、無料Wi―Fi(ワイファイ)を利用しやすくするハード整備も進めている。

外国人客の増加を見越し、都内ではホテルの新設や改修も相次ぐ。プリンスホテルは7月、旧赤坂プリンスホテルの跡地に高級ホテルを開業する。三井不動産も9月、中央区に「三井ガーデンホテル京橋」を開設する。ホテルオークラ東京は19年の開業を目指し本館を建て替え中だ。

[日本経済新聞朝刊2016年5月27日付]