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投資と投機、ギャンブルはどう違う マネーの常識・非常識 夏の集中講座(5)

2014/9/5

「投資なんてギャンブルと同じ」「元本割れのリスクが大きい」「しょせんはおカネに余裕のある人がやるもの」――。投資にまつわる様々な負のイメージが、多くの人を資産運用に取り組むのをためらわせている。そんなイメージには一面の事実が含まれているが、誤解や偏見の部分も大きい。低金利が続く一方で物価が緩やかに上昇する今、お金をただ預貯金に預けているだけでは、大事な資産の価値は目減りしてしまう。投資に関する先入観を捨て、一から資産運用を考えてみてもいいタイミングだ。

■日本人は筋金入りの投資嫌い?

野村総合研究所が6月に実施したアンケート調査(NISA(少額投資非課税制度)の利用実態調査、回答者7000人)で一般個人に投資のイメージを聞いたところ、「リスクが大きい」(39%)を筆頭に「素人には難しい」「不安・心配」「損をする」など、上位にはずらりとマイナスの言葉が並んだ。「利益が得られる」(14%)と、少し前向きな評価が登場するのはようやく14番目だ。政府は「貯蓄から投資へ」としきりに旗を振るが、世の中の投資に対するイメージはどうも芳しくない。

投資や資産運用は、そんなに危なっかしくて、一部の人たちだけしかできないことなのか。多くの人が投資に抱いているイメージを例に挙げながら、投資の意味を改めて考えてみよう。

「投資はギャンブル・ばくちである」 野村総研の調査では4人に1人がそう答えていた。確かに投資と投機には重なる部分があるし、投機にはギャンブルに似た面がある。では、ギャンブルと投機と投資は何が違うのか。

ギャンブルは勝負事にお金を賭けて、勝者が一定割合の配分を受けるもの。ただし、その配分額は賭け金の総額のうち、主催者が掛けをする場の運営料(てら銭)を取った後の金額だ。例えば中央競馬なら原則、賭け金の25%を主催者がいったん懐に収め、残りの75%が払戻金になる。宝くじなら主催者の取り分はぐっと増えて52%程度だ。賭け金の総額より少ない金額を参加者が取り合う仕組みなので、確率論で考えると、賭けを続けていくうちに必ず損になる。参加者全体でみれば、ギャンブルは利益より損失の方が大きい「マイナス・サム」のゲームだ。

一方、株式のデイトレードや為替のFXトレード(証拠金取引)などは、てら銭の額が相対的に小さく、誰かの利益がほぼ誰かの損失になる「ゼロ・サム」のゲームと言える。それが投機で、もっぱら資産価格の変動のサヤを抜くのが目的になる。投機家は、投機の対象とする資産の価値が増えるかどうかはほとんど気にしない。

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