福岡に多い西・墨・伊料理店 食も人も「ラテン系」

福岡には人口比で墨・西・伊料理店が多い
全国の
順 位
都 市店 数
メキシコ料理店
1福岡市0.80
2東京23区0.60
3大阪市0.41
4京都市0.34
5名古屋市0.31
6静岡市0.28
スペイン料理店
1福岡市1.79
2東京23区1.70
3大阪市1.68
4名古屋市1.45
5京都市1.43
6神戸市1.10
イタリア料理店
1東京23区18.68
2大阪市18.63
3福岡市14.25
4京都市13.80
5神戸市12.85
6新潟市11.48

(注)店の数は人口10万人当たり、福岡市調べ

西部ガスの料理教室でイタリア家庭料理の講座を担当する木和幸子さんも、食を取り巻く環境の類似点を指摘する。周囲を海で囲まれて新鮮な魚介類が手軽に入手できるうえ、農産物も豊富である点で「イタリアと九州は似ている」。同じような環境に囲まれているため、両地域の味覚はおのずと近いものになるという見方ができる。

博多が昔から「国際交易都市」として栄えてきたことが、海外の食文化を積極的に受け入れる風土をつくり上げているとの意見もある。20年以上にわたり福岡でフリーペーパーの編集に携わってきた天野周一さんは、福岡には「新しいもの好きな人が多く住んでいる」と話す。

新鮮な食材が多く集まる福岡で店を出したいと思う料理人は多いが、新しいものに対して柔軟で外からの人を温かく受け入れる福岡人の気質のため、居ついてしまう料理人も少なくないという。

その中でも特に、スペインやメキシコ、イタリアという「ラテン系」の国々の料理店が多いのは、福岡人の気質と波長が合うからかもしれない。電通九州(福岡市)が福岡県民に対して自県民の印象を聞いたところ(複数回答)、「お祭り好き」(回答率85.4%)や「陽気」(72.8%)、「前向き」(52.2%)といった回答が上位に入るなど、「ラテン気質のイメージが高い」(同社)ことが分かった。

福岡は現在もアジアへの玄関口であり、発展する「支店経済」として多くの転勤者を温かく迎えている。屋台では誰とでもすぐに打ち解けて飲めるといった、もともと住民が持つ開放的な気質が相まって、“ワ(和)テン系”とでも呼べそうな、独自のラテン系の食文化が芽吹きつつあるのかもしれない。

(西部支社 豊田健一郎)