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ブロックチェーンでスマート民泊 スマホが鍵・財布に シノケン、ベンチャーと組み18年春にも実用化

2017/7/20 日本経済新聞 朝刊

シノケンは家財まで備えた民泊物件を開発している

シノケングループは一般の住宅に旅行者を有料で泊める民泊に、仮想通貨の中核技術である「ブロックチェーン」を活用する。同技術は情報保護に優れており、物件の検索からカギの開閉、精算まで、人手を介さずスマートフォン(スマホ)で済ませられるようにする。同社は急増する訪日外国人の受け皿として、民泊用のマンションやアパートを開発している。スマホで手軽に利用できる環境を整え、顧客獲得で優位に立つことを目指す。

ブロックチェーンのシステムを開発するベンチャー、チェーントープ(福岡県飯塚市、正田英樹社長)と資本業務提携した。同社の第三者割当増資に応じ、発行済み株式数の約15%を取得した。投資額は約3000万円で、シノケングループはチェーントープの大株主となる。

チェーントープの正田社長はブロックチェーン開発で実績のあるハウインターナショナル(同)の創業者でもある。同社は金融とIT(情報技術)を融合させたフィンテック分野で、三井住友フィナンシャルグループ(FG)やふくおかFGなどと共同研究・開発を進めている。こうしたことから、シノケンは技術力が高いと判断した。

シノケングループは、チェーントープとの資本業務提携を足がかりに、民泊物件へのブロックチェーンの応用を目指す。利用者がスマホで民泊物件を検索して申し込むと、その物件を利用する権利を付与し、スマホで鍵を開け閉めできるスマートロックと連動させる。2018年春をメドに実用化につなげる。

民泊ではカギの受け渡しがネックになっており、紛失のトラブルも多い。ブロックチェーンはネットワークでつながった複数のコンピューターが互いに監視しながら情報を蓄積する仕組みで、情報の改ざんが難しく安全性が高い。大型サーバーを使わないですむため導入コストも小さい。ビットコインなどの仮想通貨に用いられるのが主で、不動産業界では珍しい。

20年の東京五輪・パラリンピックに向けて、日本を訪れる外国人旅行者は一段と増えることが予想されている。民泊のニーズは高まっており、来春には民泊を解禁する「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行される見通し。シノケングループは今年5月に民泊向け投資物件の営業を始めたほか、アパートやマンションなど投資用物件を計2万5000戸管理している。物件の所有者の了解が得られ次第、ブロックチェーンを活用したサービスを提供していく考えだ。

▼ブロックチェーン
ネットワーク上の複数のコンピューターでデータを共有して管理する仕組み。参加者がお互いのやりとりを監視する「デジタル台帳」の技術が基盤になっている。いったん電子的に記録すると情報の改ざんや不正利用が難しい点が強みで、権利の証明や移転に優位性がある。

[日本経済新聞朝刊2017年7月5日付を再構成]

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