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台風と高気圧の「相乗効果」がもたらす猛暑 編集委員・気象予報士 安藤淳

2014/8/6

日本列島は関東甲信地方を中心に猛暑が続く一方、北日本や西日本では局所的に激しく降る「ゲリラ豪雨」が多発している。いずれも、日本付近に相次ぎ接近する台風と太平洋高気圧の「相乗効果」で引き起こされたものだ。台風は遠く離れた南海上にあっても油断はできないし、通過して普通の低気圧に変わった後も悪さをする。

8月1日から6日までの間、東京都心の最高気温は1日と4日を除きすべて35度以上の「猛暑日」だった。群馬県館林市では7月30日から8日連続で猛暑日となり、特に5、6日はともに39度を超えた。インフルエンザで高熱を発している時のような温度だ。

これほど暑くなるのは南海上の台風と、東海上の太平洋高気圧の間を暖かい空気が大量に北上してくるためだ。台風の周囲は反時計回りに風が吹き、高気圧の周りでは時計回りに吹く。これらの相乗効果で、日本に吹き込む南寄りの風が強まっている。台風が勢力を強めて中国大陸方面に進む時には、太平洋高気圧を刺激して勢力を強める効果も知られている。

今回は山越えの乾いた熱風が平野部に吹き降りる「フェーン現象」も発生し、気温の上昇に拍車をかけた。「乾いた風?」「こんなにじっとりと蒸し暑いのに?」と言われそうだが、東京の例を見てみよう。5日深夜から6日朝にかけての湿度は70%台とかなり高く、寝苦しい夜となった。この間、風は弱かった。ところが午前8時頃になると南~南西から風速5メートル以上の風が吹くようになり、湿度は60%を割った。同時に気温はぐんぐん上昇した。

東京から見て南西の方角には丹沢や箱根の山地がある。こうした1000メートル級の山でも、風の流れに影響を与えるには十分。南西側斜面を上がった風は北東側で吹き降りるとともに乾いて高温になり、平野から海へと向かう。6日はこの風が沿岸部に達し、千葉県の東部でも猛暑日になったところがあった。

乾いた風が吹いている時には、木陰に入れば結構涼しさを感じる。緑地なら樹木の水分が大気中に逃げていく時に熱を奪い、気温を少し下げてくれるので涼しさが増す。高層ビル街でコンクリートの照り返しが強いところでは、こうした効果はあまり期待できない。

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