FXでの失敗を糧に不動産投資

田町太郎さん(仮名、42) サラリーマン投資家。将来は配当金や運用利益だけで生活するのが夢。

2009~13年

 あまりの預金の低金利で投資への関心を持つ。会社の補助でファイナンシャル・プランナー(FP)の投資講座に通った。講師の「とりあえずやってみろ」の言葉に背中を押され決断。最初は外国為替証拠金取引(FX)に挑戦した。南アフリカランド買い・円売りなどで痛い目に遭いながらも国内株運用も取り組んだ。

14年

 アベノミクス相場に乗り、絶好調。国内株は東証1部の大型株より、値動きが大きく稼ぐチャンスのある東証マザーズやジャスダックの銘柄が好き。この年はほとんどの銘柄が上がった。円安も追い風で、豪ドル買い・円売りのFXが伸びた。金利差によるスワップ・ポイントも大きかった。

15年

 資源価格が下がり、豪ドルが急落。豪ドル関連のFXの含み損は200万円に。生きた心地がしなかった。損切りすべきだったが、いつか回復するという淡い期待を抱き、今もずるずると持ち続けている。切り替えようと、前々から興味のあった不動産投資を始める。株や外為に比べ不動産はミドルリスク・ミドルリターンのはずだ。今までの運用で稼いだ数百万円を頭金に7500万円のローンを組み、千葉市にアパートを購入。多額の借金のことは親に伝えていないが、今のところ順調だ。ローンの返済や諸経費を引いても毎月十数万円の利益が出ている。

16年

 マイナス金利が導入され、株価は上がり、為替は円安に動くと思ったが予想は外れた。相場って本当に分からない。

 ただ、投資を始めて世の中の動きをよく考えるようになった。マイナス金利や東京オリンピックの効果で、国内では不動産に資金が流れるはず。人口減少でこれから働き手も減るはずだから、人材会社の需要も高まると読み、今はJ―REIT投信や人材派遣会社の株を物色している。

「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。

[日経ヴェリタス2016年5月1日付]

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