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田園調布に売り看板が立つ 進む高齢化、成約価格急落 不動産の現場から

2019/6/7

田園調布で売り物件が増える理由について、大田区や世田谷区などの城南地区に詳しい不動産会社の社員が推測するのが「家族構成の変化」だ。たとえば5人いた世帯で子供が独立し、夫婦2人になった。あるいは夫婦のどちらかが先だったことで、都心のマンションに買い替えるようなケースだ。

■土地細分化できず限られる買い手

もう一つの異変が売り主と買い主の条件が折り合って決まる成約価格だ。「18年の春から夏にかけては坪(3.3平方メートル)当たり400万円台で売れていたが、秋から300万円台に下がっていった」(都内の不動産会社)。さらに19年になると、成約した物件の坪単価は200万円台後半に下落したという。

田園調布駅の隣の自由が丘駅から徒歩10分程度で、正方形や長方形に形が整った土地で坪単価400万円近く、あるいは中目黒駅最寄りの高級住宅地として知られている「諏訪山」に隣接した場所で同400万円前後の売値が付いているという。周辺の高級住宅地に比べて田園調布3丁目の土地が安い価格で取引される事例が増えつつある。

もちろん、敷地がどのような条件で道路に面しているかという「道路付け」や日当たりなどの条件によっても坪単価は変わる。田園調布3丁目で500坪超の広さという希少性が評価され、18年秋に高値で売却されたケースを除けば成約価格は徐々に下がっている。

価格を決めるのは需要と供給だ。田園調布で物件を扱った経験のある大手不動産仲介会社のベテラン社員は「3丁目を中心に土地の需要と供給のバランスが崩れている」と指摘する。

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