マネー研究所

NQNセレクション

1社の大量供給で… マンション契約27年ぶり低水準 不動産の現場から

2019/4/5

写真はイメージ=PIXTA

新築分譲マンション市況が下り坂だと言われている。在庫はリーマン・ショック後の水準まで積み上がり、契約率も好不調の節目である70%を下回り一時27年ぶりの低水準まで落ち込む。だがモデルルームの現場では市況の意外な底堅さがみえてくる。

■来場者が増えたモデルルーム

「年明け以降、モデルルームの来場者は増えています」――。ある大手不動産会社の営業担当者はこう話す。自らが担当している地域だけではなく、会社全体で増加傾向にあるという。

昨年12月に発売された地上22階建てのタワーマンション(東京・中央)

モデルルーム来場者はマンション市況を計る目安の1つだ。来場者の減少は市場縮小のサイン、増加は追い風と受け止められるからだ。10月の消費増税前に駆け込み客が来ているのかと水を向けると、「来場者からは消費税率が上がるからマンションを急いで買うという話は聞こえてこない」という。2020年東京五輪・パラリンピックの選手村のマンション発売を5月に控え、「湾岸エリアを中心に物件への関心が高まっている可能性がある」(大手不動産会社)との指摘もある。

販売現場での活況とは異なりマンション在庫は積み上がっている。首都圏のマンション市場で発売済みで売れていない在庫(販売在庫)は12月末に9552戸と08年のリーマン・ショック後の水準に膨らんだ。長谷工総合研究所(東京・港)は販売在庫に加え「今後の完成在庫(完成済みで売れ残っている戸数)の推移には注目する必要がある」としている。

契約率の悪化も続く。首都圏でマンションの販売を始めた月にどれだけ契約に至ったかを示す初月契約率は18年1月から10月まで60から70%台で推移していたが、11月に50%台に低下。12月には49.4%と1991年8月(49.7%)以来およそ27年ぶりに50%を割り込んだ。その後、1月は67.5%、2月も65.6%と昨秋までの契約率に戻ったものの、依然として節目の70%には届いていない。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL