投信市場、資金流入が減速 金融庁の新原則見極めも国内株、利益確定売り

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投資信託市場への資金流入が減速している。QUICK資産運用研究所によると、4月の設定額から解約額を差し引いた市場全体の資金流入額は2311億円だった。3カ月連続の資金流入となったが、1年2カ月ぶりの高水準だった3月から減少。流入額は2016年10月以来の低水準だった。

 金融庁は3月末に「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表した。金融業界に対し、業務運営のうえで、顧客の利益を最優先にする「フィデューシャリー・デューティー(FD)=受託者責任」への取り組みを求めたものだ。新年度からの適用となったため「新原則を受けて販売体制を整備する動きが広がったことも、資金流入ペースが鈍化する一因となった」(外資系運用会社)。

 国内株式型からの資金流出超は10カ月連続となった。4月23日のフランス大統領選の第1回投票の結果を受け、フランスが欧州連合(EU)から離脱するリスクが後退。日経平均株価が4月下旬にかけ大幅に上昇したため、目先の利益を確定する目的の換金売りが出た。「未来変革日本株ファンド」(アセットマネジメントOne)などの資金流出が目立った。

 海外REIT型も6カ月連続の資金流出となった。個別では、分配金の引き下げや金利上昇による米国の不動産投資信託(REIT)市況の悪化などを背景に「新光US-REITオープン」(アセットマネジメントOne)や「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」(日興アセットマネジメント)などから資金が流出した。

 一方、資金流入が目立ったのは「LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月分配型)」(レッグ・メイソン・アセット・マネジメント)といった高配当株ファンドや、米国のハイイールド債が投資対象の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(フィデリティ投信)など、先進国債券型のなかでも高利回りが見込まれる投信の一角だ。米株式相場の上昇に一服感が出始めたなか、分散投資の観点から先進国株式型や新興国株式型に資金が集まった。

 4月に新規設定した「グローバルIoT関連株―AI新時代」(大和証券投資信託委託)など、テーマ型投信も好調だった。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」関連株に投資する。人工知能(AI)などを投資判断に用いる「グローバル・ビッグデータ投資戦略 Bコース(ヘッジ無し)」(ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント)も人気を集めた。

〔日経QUICKニュース(NQN) 末藤加恵〕

[日本経済新聞朝刊2017年5月20日付]

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