名ディーラーに学んだ極意 損切り早く利食い引き付けマーケットエコノミストの極意(14)

写真はイメージ=123RF
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ディーラーは結果がすべて。マーケットエコノミストやストラテジストも同じ――。2011年に「1ドル=50円」の超ドル安・円高予想を示したことで知られる三井住友銀行の宇野大介氏は当たり障りのない見通しやただし書きの逃げ道が多い予想は作らず、メーンシナリオを前面に掲げて勝負してきた。宿沢広朗氏(元三井住友銀専務、故人)や高橋精一郎氏(元三井住友銀副頭取)といった名うてのトレーダーと接した経験から「やるならとことん突き詰める」をモットーに25年以上、市場に向き合い続けている(以下談)。

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必要なのは大胆さと貪欲さ

宇野氏は「やるならとことん突き詰める」と語る

ディーリングの基本は「損切りは早く、利食いは引き付けて」。簡単なようでほとんどの人ができない。とりわけ収益の最大化には天性の勝負勘と度胸を要する。宿沢氏と高橋氏はディーラーとしてのタイプは異なるものの、利益確定については「ここまで引き付けるか」というぐらいに大胆で貪欲だった。

宿沢氏は若いころは外国為替のディーラーで鳴らしたが、一般に有名なのは債券ポートフォリオマネジャーの時代だろう。特に市場営業統括部長を務めていた01年9月、米国で同時多発テロ事件が起きた後の混乱時に不眠不休で陣頭指揮をとった姿はいまでも行内の語り草となっている。日本では長引く景気低迷と不良債権問題などで閉塞感が漂い、何かと守りに入りがちだった中でもラガーマンらしく攻めの姿勢を忘れずに巨額の利益をあげた。

宿沢氏とよく接するようになったのは彼が住友銀行の市場営業第二部長を務めていた1990年代の後半だ。当時の市場営業第一部長はのちに日銀の審議委員になる石田浩二氏で、石田氏が全体のとりまとめ役をしていたのに対し、宿沢部長は現場の最前線で円資金のポートフォリオ管理を担っていた。マーケットに近いアナリストとして学んだことは数え切れない。

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