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湾岸にみるマンション市況の底堅さ 用地不足も下支え 不動産の現場から

2018/6/19

2019年秋の完成を目指して建設が進むシティタワーズ東京ベイ

首都圏を中心とした新築分譲マンション市況の先行きは、株式・不動産市場が予想しているほど悪化しないとの見方が浮上している。価格高騰を背景に手が出にくい都心から湾岸エリアや郊外に消費者の選択肢が広がってきた。さらに、マンション建設に適した用地不足も市況を下支えする。

苦戦するとの下馬評を覆して順調に売れているのが住友不動産(8830)が手掛ける「シティタワーズ東京ベイ」(東京・江東)だ。3棟のタワーマンションから成り、総戸数は1539戸。2017年8月から販売を始め、これまでに約480戸が契約済みだ。

販売現場ではモデルルーム来場者のうち成約に至った割合の歩留まりが重視される。不動産業界では歩留まり10%が売れ行きの好不調を示す目安だが、同物件の歩留まり率は15%に迫る。

■「エリア移動民」の受け皿に

同マンションは、東京臨海高速鉄道りんかい線国際展示場駅から徒歩4分、ゆりかもめの有明駅から徒歩3分の立地だ。約10.7ヘクタールにのぼる都内最大級の住宅・商業の複合開発が進んでいる。住友不が初めて手掛ける大型商業施設にはホテルやイベントホールなどが入る。

東京都は7日、都心と臨海部を結ぶ幹線道路「環状2号(環2)」を22年度に完成させると発表した。完成した環2でバス高速輸送システム(BRT)の運行が始まれば、都心へのアクセスは飛躍的に良くなる。

湾岸エリアの開発が進むにつれタワマンといえど眺望が開けた物件は少なくなってきた。「絶景」が臨める点も消費者に訴えている。だが、売れ行きを支えているのは物件の特性だけではない。住み慣れた地元を離れて他のエリアで物件を購入する「エリア移動民」の存在がある。

例えば東急目黒線の武蔵小山では駅のすぐそばでマンションが発売されても、地価の高騰や建築費の高止まりで発売価格は地元の住民が手を出せる金額ではなくなっている。住友不動産住宅分譲事業本部営業部の吉野秀邦主任は「地縁のあるエリアで物件を探しても高くて買えず、同じ沿線で探しても見つからない場合、受け皿になっているのが湾岸エリア」と語る。

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