つくると埋まる都心のオフィスビル 20年完成物件も不動産の現場から

三井物産の本社跡地(東京・千代田)にはフォーシーズンズホテルの出店が決まった。2020年春の開業を目指す
三井物産の本社跡地(東京・千代田)にはフォーシーズンズホテルの出店が決まった。2020年春の開業を目指す

東京都心のオフィスビルがかつてない好況にわいている。2019年に完成予定の大型ビルは貸付面積がほぼ埋まる満床にめどがついた。ビル営業の最前線は20年に完成するビルに移っている。20年は18年と並び都心で相次ぎ大型ビルが完成する。オフィス空間が大量供給され、ビル不況が訪れるとの懸念があるが、過度に警戒する必要はなさそうだ。

高額賃料の提示が話題に

かつてカルガモの親子が生息する人工池のあった三井物産(8031)の本社跡地。ここで同社と三井不動産(8801)が20年の完成を目指し2棟のオフィスビルを中心とした大規模な複合開発「OH-1計画」を進めている。市場がこの開発に注目しているワケは「三井不動産が3.3平方メートル(坪)当たり5万円台という高額賃料を提示した」と言われているからだ。

オフィス仲介の三鬼商事(東京・中央)によると、千代田区内の8月の平均賃料は2万2398円だった。大手町のなかで皇居に近い一等地にできる最新ビルとはいえ、ライバルの大手不動産会社の間では「かなり強気の価格設定」と話題だ。

ある大手不動産会社の社長は「最近のオフィスビル市況をみる限り、5万円台でも埋まってしまうかもしれない」と話す。三井不動産に水を向けると、OH-1計画の具体的な賃料については公表できないと前置きしたうえで、「引き合いは強い」(ビルディング本部業務推進室の西田弥生氏)という。

OH-1と同じ20年に完成予定で三井不などが手がける大型ビルがある。東京メトロの後楽園駅と都営地下鉄の春日駅に直結という好立地だ。このビルには三菱食品(7451)の本社移転が決まった。大手仲介会社によると「空いているのは数フロアだけ」という。

大規模オフィスビルの供給量、最大に

森ビルによると、東京23区で10万平方メートル以上の大規模オフィスビルの供給量は20年に調査開始以来最大となる見込みだ。20年は供給量だけではなく大型化という点でも節目の年にあたる。市場の一部では大型ビルが都心に集中して完成するため、市況悪化につながるとの懸念が根強かった。とはいえ、ビル営業の現場を点描すると強気の見方が広がっている。

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