大口資金の流れ、常に意識を 個人投資家にプロが助言マーケットエコノミストの極意(13)

写真はイメージ=PIXTA
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「需給情報をいかに早く仕入れ、取引に反映できるかが勝負」。どんな相場も買い注文が多ければ上がり、売りが多いと下げる。株式や短期金融市場のセールストレーダーとして20年以上も相場に向き合ってきたサクソバンク証券の倉持宏朗チーフマーケットアナリストは需給分析の大切さが身にしみている。個人投資家もヘッジファンドなどの大口資金の流れを常に意識すべきだという(以下談)。

人間関係の重要性、失われず

サクソバンク証券の倉持宏朗氏は「米国株が不安定なうちは日本株の先行きは不透明」とみる

インターネットが発達した現代の投資家は情報の収集能力が格段に高まっている。昔の情報源は証券会社のリポートや新聞といった紙媒体が中心で、新しい情報を得るには口コミなど人脈に頼らざるを得なかったが、いまはネットを少したたくとニュースがあふれている。選球眼を磨けば「宝の山」だろう。それでも人間関係の重要性はまったく失われていない。

外国為替や債券、株、原油などをめまぐるしく駆け巡る足の速いファンドの詳しい動静はメディアやネットにはまず出回らない。遅れずに付いていくには人のネットワークに頼るしかない。自分のようなグローバルアナリストの存在意義はそこにあると思う。海外のストラテジストと連携して幅広く情報を集め、わかりやすくまとめて顧客に提供している。

ヘッジファンドは株や外為証拠金(FX)などのプロダクト(商品)のどこかでもうければいいと考える。では、その「どこか」はどうやって判断するのか。まずは市場参加者が何に注目し、取引するにあたって何をテーマを掲げているのか把握しなければならない。足元ではまず米中貿易摩擦、次に英国の欧州連合(EU)離脱やイタリアの財政問題が挙げられる。注目ニュースやテーマがわかったらあとはかかわりの深い市場とプロダクトにアンテナを張っていく。

テクニカル分析への依存は危険

トレーダーとしてのキャリアはユーロ円(海外円)金利先物から。その後日本国債の先物を経て株のトレーダーとして先物と現物を扱った。ヘッジファンドのブローキング(仲介)業務で東京証券取引所や大阪取引所の売買高の10%超を占めたチームにもいた。国内外の金融機関を渡り歩いた経験から言えるのは、日本国債と株先物、円相場など限られた市場をウオッチしていればよかった1990年代に比べると需給要因が格段に複雑化していることだ。

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