都心のオフィス、18年完成ビルほぼ満室 需要は旺盛不動産の現場から

2018年中に東京都心で完成する新築高層ビルは旺盛な大企業のオフィス需要を背景に、現時点で軒並み「おおむね満室」だ。企業は業績が好調なことからオフィス空間を人材確保に向けた投資と位置づけ、より快適なスペースを求めているためだ。株式・不動産市場では大量供給による都心のオフィス市況の過度な悪化懸念は後退している。

テナントの契約・内定のスピード速く

「まとまった床が出ると企業が取り合う。1年前に比べテナントの成約スピードが速くなっている」――。三井不動産ビルディング本部業務推進室の奥植智彦氏は都心オフィスの現状についてこう話す。同社が手掛ける大型ビルでは、18年1月に完成した田町(東京・港)と新宿、2月に完成した「東京ミッドタウン日比谷」(東京・千代田)はいずれも「おおむね満室の状態」という。TDKが港区芝浦から本社を移転する「日本橋高島屋三井ビルディング」(東京・中央)に関しても完成予定の6月を前にほぼ満室という状態だ。

18年に完成するビルの引き合いは他社でも強い。5月完成予定でJR田町駅に直結する「ムスブ田町」。三菱地所(8802)が三井不(8801)と共同で事業展開する開発地区だ。都心に点在する18年完成ビルの中では「同物件のテナント成約が相対的に遅れていた印象があった」(外国証券の不動産アナリスト)が、「現時点でおおむね満室」(三菱地所ビル営業部の上野浩一専任部長)。このビルには三菱自動車(7211)の本社が移転するほか、ユニー・ファミマホールディングス(8028)が「サンシャイン60」(東京・豊島)から移る。

3月に開業した住友不動産(8830)の「大崎ガーデンタワー」(東京・品川)も9割超のテナントが決まっている。三井住友トラスト・ホールディングス(8309)の資産運用機能が統合される三井住友トラスト・アセットマネジメントは12月をめどに、4月完成予定の「住友不動産御成門タワー」(東京・港)に本店を移転する。19年3月完成予定の「渋谷宇田川町計画」(東京・渋谷)もサイバーエージェント(4751)の入居が決まり、既に満床だ。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
注目記事
次のページ
2次空室を埋める館内増床
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし