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働き方・学び方
僕たちはどう働くか

2014/10/28

僕たちはどう働くか

地元へ恩返しをすることとはどういうことか

嶋川 福島に来たばかりのころ、当時の福島市長にあいさつをしたんです。「福島に拠点を置き、ここで頑張ります」と言ったのだから、当然応援されると思いました。ところが、「こんなところから早く出て行け」と言われたんです。この言葉は非常に刺さっています。「人の世話になって食べていこうなんて思うなよ」ということですよね。

 もともと舞台や芸能が好きな人だったから、ステップアップしなさいという意味なんですが。

嶋川 著名な落語家をマネジメントする「オフィスまめかな」に所属したことで、私らに新たな力が加わったと思います。やっぱり売れないと本当の意味では恩返しできないんです。

福島市にあるボンガーズ笑劇場=提供 オフィスまめかな

実は震災後、復興支援のイベントなどでほとんどの劇場が押さえられてしまい、ライブの開けない日が続いたんです。頭にきてしまって、昨年4月に自分たちで借金して、福島の街中に劇場を作りました。オープンには円楽師匠やナイツさんにも来ていただくことができました。

もし私たちが東京でもっと有名になったら、この劇場に出たいという東京の芸人たちがたくさん出てくるかもしれない。そして福島の人たちに喜んでもらいたい。

 震災が起きて、避難生活を送り、福島に戻って「有名になりたい」と強く思いました。俺らが今年「笑点」に出たとき、震災当時に福島の避難所で会い、現在は福島県外で生活している人がブログに「懐かしいです」とコメントをくれました。本当にうれしかったです。まだ何万人もの人が避難生活を送っているんです。

嶋川 出会ってきた人たちが本当にいい人たちだったと思います。福島で劇場を持ち、今年から東京にも拠点をおいて、7月に念願だった漫才新人大賞も取りました。全国8カ所の独演会もこなすことができました。芸人としての故郷福島から、全国区になれるよう精進していきたいと思います。(文・構成/電子報道部 松本千恵)

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