ジャズしみる秋、読書とアートとマイルス・デイビス

新しいジャズの楽しみ方を提案する「Something Jazzy 女子のための新しいジャズガイド」の著者、島田奈央子さんによるジャズガイド。最近の話題やおすすめのアルバムを紹介します。

「実りの秋」といいますが、それは食だけではありません。暑さで後回しにしていた自分磨きを実践することで、実りある成長が実感できる季節なのだと思います。読書をして見聞を広げたり、美術館や旅行に出かけて感性を高めたり、心も身体も自然と行動的になる季節です。そんな秋にふさわしいジャジーな曲は、選ぶのが難しいほどたくさんあります。

読書にはインストゥルメンタルのオーソドックスなジャズがお薦め

読書にはオーソドックスな曲が似合う

つい先日、早稲田大学のオープンカレッジで、「カジュアルにジャズを楽しむ」というテーマで1日講師を務めました。生徒さん達に「普段、どんな時にジャズを聴きますか?」という質問を投げかけてみたところ、「朝起きた時」という方が数人。なかには「本を読みながら」という方もおられました。以前の私なら、BGMを流しながら読書では「どちらも集中できないのでは?」と思うところですが、実践してみると音を流している方が、雑音が入らず集中出来るし、心も落ち着いてきます。たまに本から目をそらし、音楽だけに耳を傾けて物思いにふけるのもいいものです。読書にお薦めなのは、インストゥルメンタルのオーソドックスなジャズです。しかもデュオやトリオなど、楽器の数が少ない方が、想像する隙間を与えてくれるような気がします。読みながらうたた寝をしてしまった時のためにも、リズムはゆったりしているのがベスト。たとえ夢の中であっても、感性は磨かれることでしょう。

絵画を愛するジャズミュージシャンたち

おぶせミュージアムで行われたジャズコンサート(長野県小布施町、島田奈央子さん提供)

芸術の秋に浸るなら、美術館に足を運んでアート作品に触れるのも良いですね。ジャズミュージシャンの中には、絵画や美術作品にのめり込む方もいます。有名なのは、定期的に絵画展を開いているトランペット奏者の日野皓正さん。そして、常に新しいジャズをけん引していた伝説のトランペッター、マイルス・デイビス。マイルスは、1991年に亡くなるまでの数年間、トランペットを筆に持ち替え、絵を描くことに没頭していたといいます。大胆な発想と配色で描く、独創的なタッチの絵画は、彼が作る音楽や演奏に共通するものを感じます。マイルスの絵画展は今も世界中で行われているので、日本で行われた時は、ぜひ見てみたいですね。ちなみに「マイルス・デイビスの絵画」という画集も出ています。マイルスの絵をじっくり鑑賞するのもいいですし、逆にマイルスを聴きながら、頭の中で好きな絵をイメージしてみるのも良いかもしれません。

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