2014/9/24

JAZZYカフェ

マイルス・デイビス「イン・ア・サイレント・ウェイ」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)

マイルス・デイビス「イン・ア・サイレント・ウェイ」

数々の挑戦的な作品を出し続けたトランペッターのマイルス・デイビスですが、このアルバムはその中でも特に、彼のアート性をあらわにした作品だといえます。この作品が生まれた69年はアコースティックなジャズが主流でしたが、マイルスはあえてロックっぽいエレクトリック楽器を取り入れ、革新的なアルバムを発表。しかも、なんと収録曲は2曲のみ。1曲が20分近くあります。「難解だったらどうしよう」と思われそうですが、いえいえ、大丈夫です。2曲とも淡々と曲が突き進みますが、曲中に入ってくる楽器によって展開が変わっていったり、リズム隊だけが鳴る音の隙間を楽しんだり、20分の中にいろいろなドラマがあり、全く飽きさせません。

しかも美的感覚を持って演奏に入る、マイルス特有のトランペットも、本当にクールでしびれてしまいます。特にマイルスの曲とジョー・ザヴィヌルの曲をメドレー化した2曲目の「イン・ア・サイレント・ウェイ~イッツ・アバウト・ザット・タイム」は、絵画を見ているように、聴けば聴くほど1曲の中にいろいろな景色が見えてきます。今聴いても、新しく感じるマイルスのジャズ。これからジャズを聴く方にもお薦めです。

アヴィシャイ・コーエン「アルマー」(ワーナーミュージック・ジャパン)

アヴィシャイ・コーエン「アルマー」

美術館で先鋭的な芸術作品を見て、衝撃を受ける感覚。それは音楽にもあります。イスラエル出身のベーシスト、アヴィシャイ・コーエンの作品は、まさにそれ。いつ聴いても斬新で、ジャズシーンに新しい風を吹き込んでくれます。現在はイスラエルを拠点に活動をしていますが、渡米した事もあり、97年から6年間はピアニスト、チック・コリアのバンド、オリジンで活躍していました。本場アメリカのジャズの洗礼を受けているコーエンですが、彼自身が作るメロディやベースのフレージングはエスニックなものが多く、欧米のジャズにはない独特な雰囲気を醸し出しています。

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