2014/9/24

JAZZYカフェ

国立新美術館では6月にサマー・ジャズコンサートが行われた(提供:国立新美術館)

ジャズミュージシャンを撮り続けた写真展も

世界の有名ジャズミュージシャン達を撮り続けているカメラマンで、新宿のジャズ喫茶DUGの店主、中平穂積さんの写真展もお薦めです。私自身も96年に「ジャズの巨人たち」をテーマにした写真展を見に行き、歴史を感じるモノクロの味わい深い写真の数々に心を奪われました。初めて見るミュージシャンでも、獲物を捕らえるような鋭い目つきで楽器に向かう姿はクールで目が釘付けに。ちょうど、札幌国際芸術祭の同時期開催事業として、写真展「JAZZ GIANTS 1961-2013」が10月21日まで札幌グランドホテルで行われています。10月13日には、中平さんのトークショーとジャズライブもあるので写真とライブが一度に楽しめますね。

美術館によっては、ジャズのコンサートを行っているところもあります。開放的なロビーで開催したり、美しい絵画をバックに演奏したり。季節によっては庭園での野外コンサートもあり、響きも見え方もライブハウスとは違う、特別な印象を受けます。ただし、機会が少ないうえ、人数が限られていたり、飲食ができなかったりするので、事前のチェックは必須です。

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「ジャズの秋」にお薦めのアルバム 今回は読書のお供にお薦めのアルバムや、絵画を見るようにいろいろな景色が見えてくる作品を紹介します。
チャーリー・ヘイデン&ハンク・ジョーンズ「スピリチュアル」(ユニバーサル クラシックス&ジャズ)

チャーリー・ヘイデン&ハンク・ジョーンズ「スピリチュアル」

毎回、本を読みながら聴くにはちょっともったいないかなと思いつつも、あまりの心地良さについ棚から選んでしまう、ピアノとウッドベースだけで描くデュオ作品(94年リリース、原題は「STEAL AWAY」)。ジャズのアルバムの中で、歴史に残る名盤と言われています。黒人霊歌や賛美歌、民謡音楽、アメリカに根付くフォークソングを、重鎮のピアニスト、ハンク・ジョーンズと、ベーシスト、チャーリー・ヘイデンの2人が、会話を楽しむように穏やかに演奏を進めていきます。

アルバムの中盤に収録されている、アイルランド民謡の「ダニーボーイ」は、なかにし礼さんが日本語の詞を付けたこともあり、馴染み深い方も多いことでしょう。素朴でどこか懐かしい雰囲気のこの曲が流れてくると、本から離れ、この曲から見える景色を自由に回想したくなります。そしてしばらくすると、また自然と本の世界に戻れるから不思議です。2人のデュオ作品としては、2010年に録音された「カム・サンデイ」というアルバムがあり、やはり賛美歌や黒人霊歌を収録しています。この時、ハンクは91歳。チャーリーは72歳。ハンクはこのアルバムを最後に永眠。チャーリーも今年この世を去り、デュオ作品はこの2枚のみという、貴重な作品です。

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マイルス・デイビス「イン・ア・サイレント・ウェイ」