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賢い患者になりましょう 「素人」でもできること

山口育子の医療問題ゼミナール

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
誰もがいつかはお世話になる「医療」。ですが、自分や家族が病気になるまで、医療については特に関心がないという人も多いのではないでしょうか。医師との付き合い方や医療制度の動向まで、いざという時にあわてず、安心して治療を受けるために必要な知識をNPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長の山口育子さんが伝授します。

はじめまして。山口育子です。このコラムでは、ズバリ「賢い患者」になるためのヒントをご紹介していきたいと思います。

いきなり「賢い患者」と聞くと、何か特別な勉強をしないといけないのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。実は、COMLが1990年に活動をスタートして以来、ずっと大切にしている合言葉が「賢い患者になりましょう」なのです。

「お任せ」の見直しからスタート

COMLの創設当時は「賢い患者になりましょう」と言うと、患者側も医療側も「???」だったようです。なぜなら、患者には患者の"権利"があるということを知っている人は少数派で、多くの人は、医者に"お任せ"するものだと思い込んでいたからです。私自身はこの年に卵巣がんを発症し、医療との長いおつきあいが始まったのですが、分からない言葉の意味を質問するだけで「神経質な患者」と言われ、「自分の病気についてきちんと理解したい」と主張すると「やりにくい患者」と言われました。そんな時代だったのです。

ですが、病気とは、ときに自分の"いのち"や"人生"をも左右する大きな出来事です。誰かに代わってもらうことも、代わってあげることもできません。それほど重要な問題を、他人に"お任せ"していいはずがない、私たち一人ひとりが「いのちの主人公」「からだの責任者」であるはずだと考え、市民の立場でCOMLを立ち上げたのが、前理事長の辻本好子(故人)です。「賢い患者になりましょう」も、そんな辻本が口癖のように話していた言葉です。

賢い患者の5つの定義

「賢い患者になりましょう」というメッセージは、受け止める人によって、さまざまな反応がありました。患者側からは「医療は専門性が高いのに、素人の患者に何ができるのか」「プロである医者を相手に、自分の言いたいことが言えるわけがない」という戸惑いの声が届きました。医療側、特にドクターからは「患者が賢くなる必要なんてない」「うるさく主張する患者が増えると困る」などと、否定的な意見も寄せられました。

しかし、COMLは決して「ドクターと対等に向き合えるだけの知識を持ちましょう」とか、「小賢(こざか)しく対応できるスキルを磨きましょう」という意味で"賢い"と言ったわけではありません。あくまでも、患者自身の意識や心構えを見直そう、自分の問題として主体的に医療参加し、自立・成熟した患者を目指そう、と考えたのです。

そこで、漠然とした呼びかけに終わらず、"賢い患者"の行動を定義して、具体的に紹介することにしました(下表)。

賢い患者の5つの定義
(1)病気の自覚
(2)受けたい医療を考える
(3)思いの言語化
(4)協働とコミュニケーション
(5)一人で悩まない

病気は自分の"持ち物"

一つ一つ説明していきましょう。まずは、病気を自分の"持ち物"として自覚すること(5つの定義(1) 病気の自覚)。病気の種類や病状によっては、すぐには受け止められない場合もあります。それだけに、自覚に至る時間やスピードには個人差があることが前提です。

病気と診断されると、病状や治療方法について詳しい説明がなされます。いまは治療方法の選択肢も多様化しているので、受けた説明内容を理解して選ぶことも、患者の役割です。そのため、しっかり理解する努力をした上で、示された選択肢の中から「私はどの治療を選ぼうか」と熟考することが大切です(5つの定義(2) 受けたい医療を考える)。

自分なりの答えを出したら、それは言葉にしないと、ドクターをはじめとする医療者に伝わりません(5つの定義(3) 思いの言語化)。どのように考えて結論に至ったのか、なぜその方法を選ぼうと思ったのかなどを言語化し、ときには再度ドクターとやりとりする柔軟な姿勢も必要だと思います。

そして、受ける治療方法について同意したら、患者として自分にできる役割を果たして治療に参加し、医療者とコミュニケーションを取りながら治療を円滑に継続していくことが求められます(5つの定義(4) 協働とコミュニケーション)。

相談できる人がいないときは…

ただ、元気なときは、いつ、どんな病気になるのか予想がつきません。思いもかけない病気や、聞いたことのない病名と出会って戸惑うこともあるでしょう。それだけに、病気になったときは冷静さを取り戻すためにも、相談できる人を見つけるのが大事です(5つの定義(5) 一人で悩まない)。身近に相談できる人がいなかったり、誰にも知られたくなかったりするようなときは、COMLの電話相談(電話06-6314-1652、月~金曜日:9時~12時、13時~17時、土曜日:9時~12時、日曜・祝日は休み)をぜひ活用してください。

COMLの発足から20年以上が経過し、患者側、医療者ともに、双方の関係に対する意識は少しずつ変化してきています。患者が質問することすら嫌がるドクターは、今や少数派ではないでしょうか。ですが、「賢い患者になりましょう」という合言葉が不要になったとも思いません。私たちはこれからも、賢い患者の5つの定義を訴えていくつもりです。

(まとめ:北澤京子=医療ジャーナリスト)

山口育子(やまぐち いくこ)
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長
大阪市生まれ。自らの患者体験から、患者の自立と主体的医療の必要性を痛感していた1991年11月、COMLと出合う。「私たち一人ひとりが『いのちの主人公』『からだの責任者』。そんな自覚を持った『賢い患者になりましょう』をキャッチフレーズとした活動趣旨に共感し、1992年2月にCOMLのスタッフとして参加。創設者の辻本好子氏の死去により、理事長に就任。COMLでは、電話相談や各種セミナーなどを積極的に実施。このほか、厚生労働省をはじめとした各種検討会の委員としても幅広く活動している

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