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アート&レビュー
クローズアップ

2014/10/17

クローズアップ

けれど、実際には相当に仕事を選んでいる。両者が対等な関係で、互いの良さを引き出し合うことが条件。「仕事を選ばない」と言われるほど、キティが頑張って働いているのだととらえている。

「キティを自分の子供のように思っているのでしょう?」とよく聞かれるが、そう思ったことは一度もない。キティをサンリオ一のアイドルにしようと思っていた80年代は、キティと並んで歩くお友達であろうと思っていた。日本一を目指した90年代、キティは自分の分身だった。

海外でも人気が出てきた2000年ごろからは、大切なビジネスパートナーだと思うようにした。この頃から、私はサンリオのすべてのキャラクターを見なければいけなくなった。たくさんのタレントが所属する芸能事務所の、稼ぎ頭のタレントのようなもの。そう考えないと、他のキャラを作ったり育てたりはできないと思った。

01年ごろのサンリオ社内では、キティが売れているから新しいキャラは必要ない、という空気もあった。キティばかり働かされるのはかわいそうだと思い、「シナモロール」をはじめ新しいキャラを作った。06年、私は女性として初めてサンリオの取締役に就いた。

男性向けブランド挑戦

今、キティは大きな挑戦に乗り出している。これまでのキティは基本的に女の子のものだったが、来年にも、キティの男性向けファッションブランドを立ち上げたい。先月開いたキティTシャツの展示会には大きな反響があった。若い男性が欲しているものは私にはわからない。男性向けのファッションを手がけるデザイナーの方などの力を借りて、一緒にやっていければいい。

私にとって、キティは確固とした人格のある一人のアイドルだ。今はCMの女王でもある。今後、彼女がアイドルを脱皮した時にどこへ連れて行こうか。女優か、ミュージカル女優か、歌手か。マルチタレントではなく、どれかに絞って育てていこうと思う。これからも、キティと一緒に夢を見ていきたい。

(やまぐち・ゆうこ=ハローキティ3代目デザイナー)

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