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 オフィスの効率化が進みすぎて、あなたの職場は息苦しくなっていませんか。仕事にもリラックスが必要と考え、遊び心のあるフリースペースを設ける企業が増えている。一見非効率にも映るが、そこは休憩場所ではなく、あくまで仕事場所。狙いは何か。近年、本社を移転した3社を訪ねた。

「ちょっとした打ち合わせでも皆の日程調整をして会議室を予約していた。今は相手を見つけたらここで自然に話が始まる。四角く区切られた会議室や自席と違って、かしこまらない感じがいい」

カフェ?縁側?

キリングループが各フロアの中央に設けた遊び心のある広いスペースでは打ち合わせが頻繁に開かれる

キリングループが各フロアの中央に設けた遊び心のある広いスペースでは打ち合わせが頻繁に開かれる

キリンビールでマーケティングを担当する久保育子さんら4人が、9月に新発売した発泡酒について話し合っていた場所は、132×47メートルの広さがあるフロアのど真ん中にある「Tsudoi(つどい)」。各階に様々な形のソファやカフェのようなテーブルが置かれ、70~80人が利用できる。壁はない。階段の横にあり、社員が常に行き来する。

キリングループは昨年5月、東京都内12ヶ所に点在していたオフィスを中野区に集約した。本社移転を統括した井上宏さんは「オフィス空間にいい意味でのバッファー(余裕)を持つ」ことをコンセプトに掲げた。「実は生産性が低い」閉鎖的な会議室は3割減らした。代わりに設けたのがTsudoiだ。「社員がいきいき仕事をする姿を別の社員が見ることで、社内に活気が伝染する」と考えた。

クックパッドは縁側をイメージしたスペースを設置。エンジニアらが仕事に集中する

クックパッドは縁側をイメージしたスペースを設置。エンジニアらが仕事に集中する

キリンでブランド戦略を担当する山田雄一さんは「会議室での打ち合わせは粛々と進めるもの、という習慣が染み込んでいる。ここは皆で自由にアイデアを出そうよという雰囲気が自然と生まれる。最近の社内の合言葉は『Tsudoiで集いますか?』です」と笑う。会議室を使うほどではないが、メールで済ますのも味気ない。会社や部署を超えたそんな「雑談風会議」を通して、社員間のやり取りが劇的に増えたという。

料理レシピサイトを運営するクックパッドのエンジニア、京和崇行さんは、9月に移転した東京・恵比寿のオフィスの「縁側」がお気に入りだ。大きなソファと靴が脱げるウッドデッキのスペースは各自の席から見える場所にあり、社員はノートパソコンを手に自由に移動する。

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