高級ブランド「銀座」裏通りは別の顔「当世」東海道繁盛記(2)

石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」では地酒など1900種以上の商品を販売する

数寄屋橋交差点近くのガード下に7店舗が集まる「有楽町産直飲食街」。週末の夜、静岡県沼津港などから直送する新鮮な魚が売り物の「魚○本店」を訪れた。ビジネスマンや女性同士のグループ、大学生らがグラスを片手に談笑し、熱気に包まれている。店の間の細い路地ではギターを手にした弾き語りの男性の姿も。にぎわいは深夜まで続く。

一大情報発信地に

「ネクタイをしたビジネスマン、宝塚を見に来る女性、外国人旅行者……。銀座にはいろいろな人が集まってくる。日本各地の食材をアピールするには最適な場所です」

魚○本店は週末夜はビジネスマンらでごった返す

有楽町産直飲食街を運営する浜倉的商店製作所(東京・千代田)の浜倉好宣社長は説明する。売り上げは毎年、1~2割増のペースで拡大しているという。

その目と鼻の先にあるのが銀座コリドー街。居酒屋、すし屋、イタリアン……。飲食店が連なるこちらも人出でいっぱいだ。金曜夜はほぼ毎週、友人らとコリドー街に来るという20代の男性会社員は「新宿や渋谷よりも洗練された雰囲気が好き」と話す。

日本を代表する繁華街として知られる銀座。徳川家康が1612年に銀貨の鋳造所「銀座役所」を駿府(現在の静岡市)からここに移転したのが地名の由来だ。

1869年の大火の後、明治政府は「文明開化のショーウインドー」として銀座に西欧風のレンガ街を整備する。関東大震災で再び大きな被害を受けたが、その後も百貨店などが続々と出店、銀座を散策する「銀ブラ」という言葉も流行した。

そのころから銀座には時代の最先端を行く街というイメージが定着。情報発信地としての側面から、地方新聞社の東京支社も多い。

「銀座で石川県の食、文化、歴史を発信し、北陸新幹線の金沢までの延伸を機にたくさんの人に来てもらいたい」

10月8日、石川県は東京メトロ銀座一丁目駅近くにアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」を開業した。

外壁に瓦屋根の二重ひさし、入り口には加賀友禅ののれんを設置し、石川県の伝統的な町家をイメージした。店内には地酒、加賀野菜、輪島塗など1900種以上の生鮮品や加工食品、伝統工芸品がズラリ。移住や観光情報を案内するコーナーや、能登牛ステーキ丼などが食べられるスペースもある。

沖縄、広島、山形……。銀座にはアンテナショップが集結する。10月26日には長野県も店を開業、銀座から我がふるさとをPRする自治体が相次ぐ。