品川、宿場町のDNA今も ホテルから車両基地まで「当世」東海道繁盛記(4)

北品川商店街は電線の地中化や石畳の舗装を進めた

東海道最初の宿場町、旧品川宿があったのは現在の京浜急行の北品川駅周辺だ。品川駅近くの高層ビル群とは目と鼻の先ながら、昔ながらの雰囲気を感じられる商店街や住宅地が残る。そんな旧品川宿を、内外の人が集まる交流の場にしようとする動きがある。

品川宿のおもてなし

「富士山への行き方を教えてほしい」

「ゲストハウス品川宿」のフロントで尋ねるのは、英国から一人旅で来たジョシュ・ルドフスキーさん。「新宿駅からのバスが便利です。予約もしておきますよ」と、館長の渡辺崇志さんが答える。

「ゲストハウス品川宿」の宿泊客は7割以上が外国人だ

渡辺さんは2009年、旧品川宿があった場所にゲストハウスを開いた。宿泊客の7割以上が外国人で、長期滞在する人も少なくない。

等身大の日本を感じてもらおうと、商店街を紹介する英語版の地図を配っているほか、地元の名物や簡単な日本語を紹介するパンフレットも定期的に作成する。館内の風呂ではなく、商店街の銭湯や飲食店に出かけるようにしてもらう。

商売の経験がない渡辺さんの開業を手助けしたのは、商店主らで構成する「旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会」の堀江新三会長だ。この協議会が中心となって、北品川は旧東海道を思わせる町並みを演出している。ぼんぼりを模した街路灯が出迎える商店街は石畳で舗装され、電線も地中化した。

09年には歩き疲れた人が休めるようにと観光案内所「品川宿交流館」を開設し、街歩きのパンフレットを置いている。「ここには宿場時代から続くおもてなしのDNAが流れている」と、堀江さんは話す。

外国人観光客を誘致する試みも始まる。電動自転車をホテルに置いて観光客に貸し出し、街中に設置する電光掲示板に近づくと道案内を表示してくれる「おもてなし」プロジェクトだ。