東北6地銀と観光支援 政投銀「稼ぐ観光」へ広域連携

6行の頭取が一堂に会して協定を締結した(3月15日、東京・千代田)
6行の頭取が一堂に会して協定を締結した(3月15日、東京・千代田)

東北6県の地方銀行6行と日本政策投資銀行は3月15日、東北地方の観光を支援するための業務協力協定を結んだ。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、国内観光客や外国人観光客の誘致に携わる事業者を協調融資するなど金融面で支える。各県の情報を持ち寄って事業者や自治体同士のマッチングにも取り組む。単独で事業することが多かった6行が初めて手を取り合い、東北の観光振興に乗り出す。

協定は「東北観光金融ネットワーク」。青森銀行、秋田銀行、岩手銀行、七十七銀行、山形銀行、東邦銀行と政投銀が締結した。

今後定期的に各行の担当者による会議を開き、情報を持ち寄る。県境をまたがる観光ツアーを開く事業者など、複数の地銀が連携して支援した方が効果的な案件を掘り起こし、協調して投融資する。事業の収益性を重視し、従来の薄利多売の構造から「稼げる観光業」への脱却を支援する。

6行がそろって投融資するとは限らず、支援する事業者の規模と事業地域によって2行や3行だけが組む場合もある。3月15日に記者会見した七十七銀の氏家照彦頭取は「資本性の高い資金を投入するためのファンドをつくる議論も今後していく」と話した。

各行が普段から取引する観光関係の事業者も紹介し合い、新しいビジネスを生む機会を提供する。山形銀の長谷川吉茂頭取は「6県の知事レベルでは既に連携が取れている。金融機関も県境を越えて提携するチームを構成できるのは心強い限りだ」と話した。

政投銀は6行が共同調査する際などに調査ノウハウを提供する役割を担う。

2016年に東北の宿泊施設を利用した外国人客は64万人と過去最高を記録した。震災前の10年は51万人だった。ただ全国的な伸びと比べると大きく引き離されている。政府は20年までに150万人まで増やす目標を掲げている。

[日本経済新聞2017年3月16日付朝刊]