旅行・レジャー

日本の歩き方

知られざる「うどんの国」、埼玉を行く

2014/10/20

この、一見地味なアピールポイントをうどんに結びつけたのが、鴻巣市の「川幅うどん」だ。

麺の幅は5センチ以上と定められており、広いものは10センチにも及ぶ。現在、市内の10店で「川幅うどん」を食べられる。

「最近ではメディアやインターネットで川幅うどんを見つけて、市外や県外から食べに来てくれるお客さんが増えています」。農産物直売所に併設されたうどん店「てらや」の経営者で、川幅日本一にちなんだ地元食品を研究する「川幅グルメ会」の会長を務める成沢彬暢さんは話す。

かかしの看板が印象的な山田うどん

「てらや」の川幅うどん(450円)の麺は、店近くの麦畑で栽培した小麦を使う。製粉も店舗そばで行う「究極の地産地消」(成沢さん)が売り物だ。あまりにも麺の幅が広いため、どんぶりに入るのは数本だけ。箸で持ち上げると、幅の広いうどんがラザニアのよう。予想外の幅広さに、思わず笑顔になる。

食感はうどんというより、幅広なきしめんに近い。「幅広い麺にめんつゆがたくさん付くため、めんつゆのだしや風味を楽しめるのも川幅うどんならではです」(成沢さん)

山田うどんはソウルフード

うどんチェーンも愛着の対象となる。

埼玉県内の主要道路を車で走ると、くるくる回転する黄色い看板に描かれた赤い「かかし」をしばしば目にする。山田食品産業(所沢市)が運営するうどんチェーン「山田うどん」だ。埼玉を中心に関東で約170店舗を展開し、素朴な味わいで根強いファンが多い。

深谷市の煮ぼうとう(深谷市の国良)

「埼玉県人のソウルフード」(フリーライターの北尾トロ氏)との評もあり、最近では、山田うどんを芸能人や文化人が「勝手連」的に応援する動きも広がる。

7月下旬の日産スタジアム(横浜市)。人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のコンサート会場に、なぜか山田うどんのケータリングカーの姿があった。

ももクロのメンバーがコンサートの際、同社の人気商品「パンチ」(もつ煮込み)を食べることはファンの間で知られている。ももクロのマネジャーが山田うどんのファンだったことも縁となり、コンサート会場に出店した。うどんだけでなく、ももクロと山田うどんの限定コラボTシャツも作成。会場のカプセル自動販売機「ガチャガチャ」の景品として販売した。

「うどんの国 埼玉」の奥深さを知ると、首都圏のベッドタウンとしての表情とは異なる魅力が見えてくる。(森川直樹、加藤晶也、須賀恭平)

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