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「成田第3ターミナル」開業2年、乏しい受け入れ余力 LCC就航で旅客数が1割増ペース

2017/4/8 日本経済新聞 朝刊

第3ターミナルは平日の午前中もにぎわっている(7日)

 成田空港の第3旅客ターミナルビルが開業して2年がたった。2年目の旅客数は初年度を1割上回るペースで推移している。同ターミナルを拠点とする格安航空会社(LCC)もアジアを中心とした訪日外国人(インバウンド)の増加を背景に路線や便数を増やしており、新たな空の玄関として存在感が高まっている。一方で2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて現在の増加ペースが続けば、旅客をさばく能力が限界に近づく可能性もあり、混雑の抑制が今後の課題となる。

 第3ターミナルはLCCの専用施設として、15年4月8日に開業した。成田国際空港会社(NAA)によると、16年4月~17年2月に同ターミナルを利用した旅客は約620万人と前年同期に比べて12%増加した。2年目通年でも開業初年度の実績(600万人)を約1割上回る660万~670万人程度になりそうだ。

 旅客数が大きく伸びている背景にはLCC各社が成田を発着するアジア方面の路線や便数を拡充し、座席の供給量が増加したことが背景にある。中国系の春秋航空日本は1月に天津、ハルビン各線を新たに開設。バニラ・エアは昨年12月にフィリピン・セブ線を就航した。第3ターミナルから国内外へ飛び立つ便数は、週400便前後と初年度に比べて6%増えた。

 福岡、札幌などの国内線も就航させているジェットスター・ジャパンは上海線を6月に開設する。LCC各社にとって、同ターミナルが国内外を結ぶハブ拠点になりつつある。

 第3ターミナルは鉄道駅に直結した第2ターミナルから約600メートル離れており、移動距離の長さが難点だった。NAAは16年10月に連絡バスの運行ルートを効率化し、ターミナル間の移動時間を5分と以前の半分以下に短縮。5~8分だった運行間隔も3~5分に狭めた。旅行者の利便性が高まり、LCCの利用を後押しした。

 旅客の増加につれ、新たな課題もちらつく。NAAは第3ターミナルでの旅客受け入れを年間で最大750万人と想定している。旅客数が上限を超えれば、チェックインや手荷物検査といった手続きの混雑が激しくなる可能性がある。現在はターミナルを拡張する案は出ていないが、カウンター業務の効率化など「能力の増強策を検討していきたい」(同社)という。

[日本経済新聞朝刊2017年4月8日付]

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