東北は恩恵乏しく 訪日客の宿泊、「5%未満」が8割政投銀など調査

外国人客を受け入れるほど収益にプラスであることがわかった(宮城県白石市の宮城蔵王キツネ村)
外国人客を受け入れるほど収益にプラスであることがわかった(宮城県白石市の宮城蔵王キツネ村)

日本政策投資銀行東北支店と東北観光推進機構は東北を訪れる外国人観光客の受け入れ環境に関する初の調査結果を発表した。宿泊客数に占める外国人客の割合が5%未満の施設は全体の8割を占めた。受け入れ比率が多い施設ほど収益をあげる一方、比率が低いところは収益への貢献度も小さいことが判明。外国人客の求めるサービスと施設側の提供内容の違いも鮮明になった。

2016年9月に東北の主要な810の宿泊施設を対象にアンケート調査した。うち517施設が回答。旅館が293施設と全体の6割近くを占め、ビジネスホテルが92施設、リゾートホテルが76施設、シティーホテルが51施設だった。

客数に占める外国人観光客の割合が1%未満の施設は約4割に達した。特に旅館の7割以上は受け入れ比率が2%未満だった。

外国人客の比率が20%以上の宿泊施設は71%が「収益に大きく貢献している」と答え、残り29%も「ある程度貢献している」と答えた。逆に「ほとんど貢献していない」とした宿泊施設は受け入れ比率1~2%未満の施設の54%、1%未満の施設の74%にのぼった。

受け入れ比率1~2%未満と1%未満の施設の4%は「収益的にはマイナス」と答えた。外国人客と宿泊施設の収益には正の相関があることがわかった。

宿泊施設別にみると「ほとんど貢献していない」と答えた割合は旅館が49%、ビジネスホテルは59%にのぼった。

外国人客を受け入れるにはWi―Fi整備や外国語対応などコストがかかる。ただサービスが評価され受け入れ人数が増えてくるとコストを上回って収益に跳ね返ってくるようだ。比較的規模の大きなシティーホテルやリゾートホテルで収益との正の相関が出やすい。

宿泊施設の「売り」と外国人観光客が求めることには違いが見られた。アジアからの観光客は全体の26%が着物の着付けや餅つきなど日本文化を体験できることを求めていた。また欧米・オーストラリアからの観光客は27%が「宿泊施設の外で夕食を食べられるか選択できること」を重視していた。

一方、施設側が訴えたいのはインターネット環境や観光施設へのアクセスのしやすさ、日本料理・地酒の充実といった点だった。

[日本経済新聞2017年3月8日付朝刊]