千葉の森田健作知事 オランダ五輪代表のキャンプ獲得

合意書を交わす森田知事(右から2人目)とオランダ五輪委員会のボルハウス会長(同3人目)ら
合意書を交わす森田知事(右から2人目)とオランダ五輪委員会のボルハウス会長(同3人目)ら

千葉県は6日、2020年東京五輪・パラリンピックの事前キャンプでオランダ代表を誘致したと発表した。同国を訪問中の森田健作知事が現地の五輪委員会のボルハウス会長らと会談し、県内6市で計22競技を受け入れることで合意した。県は知事のトップセールスの成果を足がかりに、今後の誘致活動に弾みをつけたい考えだ。

誘致が決まったのは陸上や柔道のほか、バレーボールやトライアスロンなど五輪・パラリンピックを合わせて22競技。千葉市の千葉県総合スポーツセンターや館山市の館山湾など6市にまたがって受け入れる。

オランダ選手団を受け入れる施設と競技
施設五輪競技パラリンピック
競技
千葉県総合スポーツセンター
(千葉市)
陸上、柔道、
ボクシング
陸上、柔道、
パワーリフティング
千葉県国際総合水泳場
(習志野市)
競泳、水球、
飛び込み
競泳
小見川ボート場
(香取市)
ボートボート
松戸競輪場
(松戸市)
自転車自転車
キッコーマンアリーナ
(流山市)
バレーボール、卓球など車イスバスケットボールなど
館山湾など
(館山市)
ビーチバレー、
トライアスロン
トライアスロン

期間や規模は未定だが、大会前の1週間~10日程度をキャンプ地で過ごすとみられる。千葉県内では山武市がスリランカ選手団を、成田市などが米陸上チーム受け入れることが既に決まっており、オランダは3カ国目となる。

森田知事は15年6月にオランダを訪れ同国の五輪委員会に事前キャンプを千葉県で行うよう働きかけた。同8月の世界陸上北京大会の事前キャンプでも同国選手団を受け入れた。知事はこうした経緯をふまえ「つながりを深めてきたことが実を結び今回の合意に至った」と喜びをあらわにした。

受け入れが決まった自治体からも歓迎の声が相次いだ。4月に新設した体育館「キッコーマンアリーナ」(流山市)を提供する井崎義治市長は「全市を挙げておもてなしの心で選手団を迎えたい」と強調。企画政策課の担当者は「都心に近いアクセスや新設するホテルといった環境が評価された」と分析する。

館山市は海岸沿いの観光道路や館山湾でトライアスロンなどを受け入れる。同市の推進本部で本部長を務め、1976年のモントリオール五輪のバレーボールで金メダルを獲得した田村悦智子氏は「館山の海や夕日を見ながらリラックスできる環境は体を慣らすのにいい」と述べた。

各自治体は8月のリオデジャネイロ五輪以降、オランダの各競技団体の視察を受け入れ、日程や宿泊施設といった条件面の調整を進める。ホテルや飲食店での直接的な経済効果を見込むほか、選手団と市民の交流会を通じて地域活性化にもつなげる。

誘致合戦過熱 知事がトップセールス

オランダ訪問中の森田健作知事は7日からドイツに移り、事前キャンプ誘致に向けたPR活動を開始。2015年8月にタイを訪問した際にも同国の観光スポーツ相と面会するなど、キャンプ誘致に向けたトップセールスに力を入れている。

東京五輪・パラリンピック組織委員会が8月をメドにホームページなどで公表を予定している、キャンプ候補地一覧には全国244自治体が名乗りを上げているという。県によると、県内では27自治体が誘致に前向きな意向を示している。

大会が近づくにつれ、自治体間の誘致合戦は過熱する。県は成田空港や都内へのアクセスの良さなどを武器に誘致活動を加速する。知事のトップセールスで県内自治体の誘致活動を後押しするとともに、他の都道府県との誘致合戦も勝ち抜きたい考えだ。

[日本経済新聞2016年7月7日付朝刊]

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