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訪日旅行、民泊だけじゃない 長期なら「賃貸住宅」も シンガポールの不動産会社が仲介、掃除もお任せ

2017/9/8 日本経済新聞 朝刊

「賃貸住宅」といっても家具や家電を備えており、リネン交換や掃除のサービスもついている

 シンガポール資本で楽天が出資する不動産関連会社のメトロレジデンスは長期滞在する訪日外国人向けに、ホテル機能を持つ高級賃貸住宅「サービスアパートメント」の仲介を始めた。不動産オーナーから空いているマンションなどの登録を募る。ホテルや民泊以外の訪日客の受け皿となることを目指す。

 今春設立したメトロレジデンスジャパン(東京・千代田)を通じて、利用申し込みサイトを立ち上げた。都心駅から徒歩10分以内など条件を満たす物件を審査し、英語と日本語でサイトに載せる。70室程度で始めて、3年で1000室に増やす。1カ月以上の滞在から利用を受け付ける。料金の目安は成約手数料や標準光熱費込みで1K(25平方メートル)なら月25万円前後。

 利用者は、まずサイト上で写真や立地をもとに希望の物件を絞り込み、メトロレジデンスに照会する。同社の担当者が空き状況や価格を確認したうえで利用者に返答し、予約を入れる。将来は、人を介さなくても予約できるようにする。

 サービスアパートメントはホテル並みの環境ですごせる賃貸住宅。家具や家電、食器、インターネット接続環境を備え、シーツやタオルを定期的に交換したり室内を清掃したりするサービスもついている。数週間から数カ月の中長期の滞在向きで、料金にサービス料を含むのが一般的だ。

 外国人のビジネス客や富裕層の利用が多く、東京都内だけで数千室以上ある。2020年の東京五輪・パラリンピックをにらみ企業の参入が相次いでおり、積水ハウスは20年春にも東京・赤坂に約220室からなる施設を開業する計画だ。ただ国内の物件を横断的に検索して利用を申し込めるサイトはほとんどなかった。

 メトロレジデンスは積水ハウスのような大型の専用施設だけでなく、空いているマンションやアパートをサービスアパートメントにしたい一般の不動産オーナーからも登録を受け付ける。チェックイン時の鍵の受け渡しなどを代行して支援する。

 空き物件の活用では、一般の住宅に有料で泊める「民泊」も注目されている。しかし18年の全国解禁にあたっては、住宅宿泊事業法(民泊法)で営業日数が年間180日に限られており、採算に乗りにくいという指摘もある。

 これに対しサービスアパートメントは賃貸という形をとるため営業日数の制限がない。メトロレジデンスは不動産オーナーが複数の空き物件を持っている場合、サービスアパートメントを組み込んで収益性を高める方法を提案する。

 メトロレジデンスはシンガポールのサービスアパートメント仲介大手で外資企業の利用が多い。顧客基盤を集客に生かす。

[日本経済新聞朝刊2017年8月9日付を再構成]

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