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招致コンサル、見えぬ実態 東京五輪巡る不正疑惑

2016/5/18 日本経済新聞 朝刊

2020年東京五輪・パラリンピックの招致を巡る不正疑惑では、海外コンサルタントへの約2億3千万円もの巨額の支出が明らかになった。招致関係者の多くは「招致活動にコンサルは不可欠だった」と訴えるが、不透明な資金の使途に批判が集まる。表に出にくいコンサルの活動への疑念は強く、国際オリンピック委員会(IOC)が規制を強めている。

「IOC委員と人間関係を持てないと優位に立てない。誰と誰が仲がいいか、他の立候補都市につながっているのは誰かなどアドバイスは有用だった」。東京大会の招致に携わった関係者は振り返る。

五輪の開催都市はIOC総会で約100人の委員による無記名投票で決定される。委員への事前の根回しや支持の取り付けは不可欠で、馳浩文部科学相も17日の閣議後の記者会見で「コンサルが果たした役割は極めて大きい」と話した。

日本は20年招致活動で約8億円を海外コンサルに支出。プレゼンテーションのプロや、国際的なスポーツイベントの経験者など役割は様々だ。

国際陸上競技連盟の前会長でIOC委員だったラミン・ディアク氏はアフリカやロシアに顔が利き、陸上界も押さえている有力なキーマン。どの立候補都市も同氏や周辺者とコンタクトを取ろうとしていたという。シンガポールのコンサルタント会社「ブラック・タイディングス」の売り込みを受け、招致委員会は電通に照会して実績を確認。その上で13年7~10月に計2億3千万円を支払ったのも、同氏との関係を期待したものだった。

ブラック・タイディングス社の代表者とディアク氏の息子、パパマッサタ・ディアク氏は親密とされ、コンサル料は賄賂ではないかとの疑いが持たれている。同社の口座が別の不正に利用されていたとの指摘もある。

招致委の理事長だった日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「契約内容には守秘義務があり、相手に確認せずに開示できない」と説明。コンサルの業務の実態は明らかになっていない。

02年ソルトレーク冬季五輪に絡み買収問題が発覚し、IOC委員の候補都市への個別訪問が禁止された。それ以降、招致に多くのコンサルが関わるようになり、招致活動の費用高騰や不透明な資金のやり取りを招いた。

こうした事態をIOCも問題視。14年末に示した改革指針「五輪アジェンダ2020」で「コンサル、ロビイストは有資格者を登録制とし監視する」と規定した。IOCの倫理規定の順守を求め、ホームページで立候補都市のコンサルを明示するなど、透明化に努めている。

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