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「他人の人生になりすます面白さ」 俳優、役所広司(下)

2014/9/13

葉室麟の直木賞受賞作を映画化した「蜩ノ記」(10月4日公開)に俳優・役所広司さんが主演している。時代劇、現代劇を問わず数々の作品に出演して重厚な存在感を放ち、いまや日本映画の顔となった役所さんに、俳優という仕事の妙味について聞いた。
インタビューに答える役所広司さん

映画のデジタル撮影が常識になりつつある中、小泉監督は昔ながらのフィルム撮影を続けている。黒澤監督譲りの丁寧な映画作りを体験できる現場は、いまや貴重だ。

「小泉組ですばらしいのは準備。手を抜かず、時間をかけて実に丁寧。実際に撮影に役に立つか立たないか分からないものまでスタッフが調べ、勉強している。そういうところで画面に違いが出てくるのではないか。(シーンに合った天気になるまで待つ)天気待ちについても、小泉組は太陽の位置などにとてもこだわる。演じている俳優も一人の人間。太陽の光を感じて演じるのと、ライトの光を感じて演じるのでは、ずいぶん違うような感じがする。大変ぜいたくな撮影を経験できた」

公務員から俳優に転身し、「眠る男」(小栗康平監督)、「Shall we ダンス?」(周防正行監督)、「うなぎ」(今村昌平監督)、「CURE」(黒沢清監督)など数々の名作に出演してきた。

「他人の人生を借りて、その人の言葉を語ったり、動いたりすることができるのが俳優の面白さ。まあ、なりすましですね。撮影の現場は毎回チームが変わる。いろんな人が集まって1つの作品を作る。毎回、新しい人と出会い、新しい役を作っていく。その緊張感が飽きずに続けてこれた理由ではないか」

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