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脊柱側弯症、成長期に用心 背骨曲がり重度で手術

放置だと呼吸障害も 早期治療で生活改善

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NIKKEI STYLE

 背骨が左右に曲がる病気が「脊柱側弯(そくわん)症」だ。約7割の患者は原因が不明で、成長期の子供の発症が多い。11歳未満の発症で進行性のタイプを放置すると呼吸機能の低下などを招く恐れがある。適切な治療を受ければ背骨がほぼ元の位置に戻る人も多く、生活やスポーツをするうえでのストレスが減る。異常を見つけたら早めに病院を訪れたい。

背骨が柱状に連なった構造が脊柱だ。通常は正面から見てほぼ真っすぐだが、S字状に曲がったりねじれたりするときがある。

このとき、脊柱に連なる骨が傾いた角度が10度以上で20度未満の場合が「側弯状態」といい、20度以上で側弯症と呼ばれるのが一般的だ。10度未満であれば正常の範囲内とされ、痛みもない。

脊柱側弯症は先天性か、様々な病気を原因とするか、原因不明かに分かれる。中でも原因不明の「特発性」タイプが、全体の約7~8割を占めている。

特発性タイプは、成長期に発症が多くなる傾向がある。乳幼児期でも見られるが、11歳以上の思春期が最多で、女性の発症が多いとされる。

原因については、普段の姿勢や生活習慣、運動などとは無関係とされている。これまでの研究では、複数の遺伝子が発症に関わることが分かりつつある。

陸上男子短距離で世界記録保持者のウサイン・ボルト選手も生まれながらの脊柱側弯症として知られる。変形の進行具合にもよるが、適切な治療を受ければ、ストレスが大幅に減るなど生活しやすくなる。

◇     ◇

治療方法は変形の程度によって決まる。成長期の子供の場合、曲がり具合が25度未満なら経過観察し、定期的に検診を受ける。

学校検診などで病気が見つかっても、そのまま放置すれば状態が悪化しかねない。外見からも姿勢のゆがみが分かるようになり、曲がった背骨が内臓を圧迫して、肺の機能低下を招く恐れがある。日常生活で不便に感じることがあるうえ、重篤な呼吸機能の障害に至るケースもある。

成長期が終わると症状は進みにくいが、メディカルスキャニング東京(東京・中央)の鈴木信正脊柱側弯症センター長は「40度以上は成長期が終わっても加齢とともに症状が進行する」という。成長期で20度以上30度未満の場合、20~30%程度の確率で側弯が進行するという。

25~35度を超える場合はコルセットのような装具で上半身を固定し、症状の進行を抑える「保存療法」を採用する。

装具は骨の成長が止まるまで使う。ほぼ常に身につけるため「子供がかわいそう」と着用を拒否する親もいるが、子供の長い人生を考えると治療は早いほうがいい。

筑波大学の山崎正志教授は「変形がひどいと手術になる。40度以上で手術することが多い」と説明する。手術では特殊な金属製の固定具を背骨に設置して、曲がった脊柱を矯正する。最近は、短い固定具でうまく矯正できる技術もある。

術後一定期間は背骨を安定させるため激しい運動はしない。背骨の曲がり具合が100度以上まで進むと手術で治すのは難しくなる。40度以上の側弯は、早いうちに手術した方がよいといわれる。

◇     ◇

整体やマッサージなどで脊柱側弯症が治療できるとする民間療法には注意が必要という。手術せずに済むからとこうした民間療法を続けるうちに、症状が悪化する例は後を絶たない。

日本側弯症学会が2012年に68の医療施設を対象に実施した調査によると、脊柱側弯症の手術は1年間で約3000件あり、以前より増えている。

インターネットの普及で病気そのものが広く知られるようになり、手術の技術も向上した。発症率は100人に一人程度との見方もある。

治療開始は早いほど効果が期待できる。ただ、ネットでは誤った情報を載せたサイトも多く、それらを信じてしまう保護者もいる。子供の体に異変があれば、まずは専門医に相談しよう。

◇     ◇

学校検診でも見逃すリスク 自宅でチェック欠かさずに

脊柱側弯症は早期発見、早期治療が大切だ。知らずに放置すると、症状が深刻になるまで気づかないことがある。検診がある小中学校でも、見逃すリスクが残る。普段から保護者が子供の体の変化に気をつける必要がある。自宅で簡単に調べる方法があるので、異変を感じたら、まずは病院で相談してみよう。

自宅で子供の体にゆがみがあるかどうかを調べる方法を紹介しよう。

まずは両手を下ろしてまっすぐに立った姿勢で、真後ろから背中を見る。肩の高さが左右で同じか、左右どちらかの肩甲骨が出っ張っていないかなどを見てみる。

前かがみになり、背中に肋骨の隆起がないか調べる。おかしな点があれば脊柱側弯症の疑いがある。

子供の頃の検診は自治体によって取り組みに差があり、千葉県や東京都などは導入が進むとされる。ただ、学校検診でも見逃す場合があるので、普段の注意が欠かせないという。病院では外見の検査やエックス線のほか、一部では等高線のようなしま模様で体のゆがみを見る「モアレ法」がある。

発症原因が不明のため脊柱側弯症の予防法は今のところ確立されていない。このため早期発見でいち早く治療に移るのが大切だ。装具は自分の体にきちんと合わないと効果が薄い。手術が得意な医師とそうでない医師もいる。適切な病院を選ぶための情報収集が大切だ。

(山本優)

[日本経済新聞朝刊2016年4月24日付]

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