外貨預金カード 海外旅行で現地通貨をお得に準備

2016/4/14
カードで支払うと外貨預金から即時に引き落とされる(ソニーバンクウォレット)
カードで支払うと外貨預金から即時に引き落とされる(ソニーバンクウォレット)
海外旅行先で使う現地通貨をお得に準備する方法はないだろうか。最近、増えているのが外貨預金をそのまま海外で利用できるカードだ。外貨に対応するデビットカードやプリペイドカードなどを、買い物代金の支払いや海外ATMからの現金引き出しに使える。主なサービスを紹介しよう。

銀行が相次いで発行するのは外貨預金に連動したカード。外貨普通預金口座に預けてある資金を、その通貨建てのまま、渡航先でのカード決済に使えるというのが基本的な仕組みだ。

自分の好きなときに円を外貨に交換できるのが利点のひとつ。最近のように円相場が急伸したタイミングを上手にとらえれば、有利な為替レートで交換が可能。反対に円高に伴い、手持ちの外貨に含み損が生じても、外貨のまま決済に使えば損失を実現しなくて済む。

決済方法の違いによりいくつかのタイプに分かれる()。

1つ目はデビットカード型。海外で買い物などの支払いに使うと、代金が即座に、日本にある外貨普通預金口座から引き落とされる。引き落としが通常、翌月以降になるクレジットカードに比べて、資金管理をしやすいのも特徴といえる。

例えばソニー銀行が今年1月に始めた「ソニーバンクウォレット」は、国際カードブランドであるVisaの加盟店で幅広く使える。対応する外貨預金口座はドルやユーロ、豪ドルなど10種類。VisaマークのATMなどから、現地通貨を現金で引き出すこともできる。ただし、ATM手数料が1.76%かかる点は覚えておこう。

手数料は比較的割安だ。はじめに円資金を外貨預金へ交換する際の為替コストは例えばドルで片道15銭(手数料率換算で0.1%強)。一般的なクレジットカードでは、独自に決める為替コスト(通常非開示)のほかに1.6%程度の事務手数料が上乗せされることを考えると、かなり安い水準といえる。

住信SBIネット銀行の「Visaデビット付キャッシュカード」も同様に、デビット機能のある外貨預金連動カードだ。決済通貨としてドルを指定しておけば、ドル普通預金からの即時引き落としができる。

外貨預金連動のデビットカードの中には、海外での支払額が膨らんで残高が不足すると、その分を別にある円預金口座から自動的に充当できるサービスもある。便利な機能である半面、不足分を外貨に換えるために為替コストが発生する。予期せぬコストを避けるためには、外貨預金残高をインターネット経由などで把握し、残高の範囲内で買い物をすることを心がけたい。

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外貨預金連動カードでもうひとつ増えてきたタイプが、プリペイドカード型だ。事前に外貨普通預金口座から資金をチャージ(入金)しておくと、Visaやマスターカードの加盟店などで代金支払いに使える。チャージ額の範囲内でしか決済できないので、無駄遣いを防ぎやすい仕組みといえる。

新生銀行の「海外プリペイドカードGAICA」は、ドルやユーロ、英ポンド、豪ドルの4通貨を、それぞれの通貨圏で使える。SMBC信託銀行や大和ネクスト銀行も同様のサービスを拡大している。いずれも海外ATMでの現地通貨引き出しも可能。地域や金融機関によっては対象外だが、小額の紙幣が必要なときなどに便利だ。

プリペイドカードで要確認なのがチャージする際の手数料だ。大和ネクスト銀など無料キャンペーンを実施する例もあるが、通常は手数料が入金額の1.5~3.5%ほどかかる。はじめに外貨預金へ交換する際の為替コストも銀行により異なる。

プリペイドカードの場合、チャージした分を全額、渡航先で使い切るとは限らない。カードの有効期限は5年が一般的。当面使う予定がないなら残った分を元の外貨預金口座に戻せれば便利だ。無料で戻せるカードと手数料がかかるカードがあるので確認しておこう。

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これらのサービスのほか、米国への渡航が多い人にはSMBC信託銀行の「プレスティア外貨キャッシュカード」がある。ドル普通預金を米国のATMでドルのまま引き出せるが、海外にあるシティのATMであれば原則、ATM手数料がかからない。ビジネスなどで頻繁に渡米し、現金を使いたいという人には便利だろう。

外貨預金とは連動していないが、みずほフィナンシャルグループのみずほ銀行とユーシーカードは、日本からの旅行者が多い韓国で使える「コリア・イー・プリペイドカード」を発行する。未使用残高の払い戻しは行わない使い切りタイプで、10万ウォン、30万ウォン、50万ウォンの3種類ある。

FX会社のマネーパートナーズでも、口座の外貨をチャージして海外のマスターカード加盟店で利用できるプリペイド型の「マネパカード」を発行する。自分の旅行計画に合わせて便利なカードを選びたい。

(ファイナンシャルプランナー 坂本 綾子)

[日経プラスワン2016年4月9日付]