ペット見守るアプリの目 遠隔管理で安心
カメラやセンサー活用
家にペットを置いてくると、「うちの子」がどう過ごしているのか知りたいときがある。個人の開発者が米アップルのiOS端末向けに提供するアプリ「あんしん監視カメラ」を使えば、会社や出先から、自宅のペットの様子が見られる。
定期的に自動撮影
使い方は簡単。iPhoneやiPadにアプリをダウンロードし、ペットの入るケージなどの前に設置する。するとその端末の内蔵カメラが定期的に目の前の様子を自動で撮影。画像はクラウドに保存される。別の端末からインターネットを介してクラウドにアクセスすれば、外にいながら自宅のペットの様子が確認できる。
パソコンから閲覧する場合は、ペットがいる空間の「映像の変化率」や「音量」も把握できる。ペットの動きが大きければ大きいほどこれらの値の変化も激しくなるので、画像だけでは分からない異常を感知できる。
ペットを見守るサービスは富士通が4月下旬から始める。愛犬の状態をスマホで確認するというもの。温度などを感知するセンサーを首輪に付け、犬の動きを検出する。感知した情報は、ケージなどに取り付けた中継機を経由してスマホへ送られる。犬がどれだけ歩いたかなど、専用アプリで分かる仕組みだ。中継機の内蔵カメラを使い、部屋の様子を確認できる。センサー端末や中継機は有料で、2万円程度を想定している。
動物は環境の変化に敏感だ。見逃しがちなペットの健康管理を手助けするのは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などのウェブサービスを提供するペットスマイル(東京・江東)のアプリ「ペットスマイル 健康手帳」だ。ペットの体重から散歩の距離、投薬の予定や履歴まで、ペットの健康管理に必要な情報をアプリに記録できる。
同社は「季節の変わり目でペットは体調を崩しがち。アプリを活用してほしい」と話す。
動物が好きでも、現実には飼えない人はいる。そんな人にぴったりのアプリがある。
庭先で猫が飼いたい――。ゲームアプリ開発を手がけるヒットポイント(京都市)が提供するアプリ「ねこあつめ」はそんな要求に応えてくれる。2014年の提供開始からすでに、累計1400万ダウンロードを超える人気作だ。
仮想の庭に猫来訪
アプリを起動すると画面上に一軒家の「庭先」が表示される。庭先には畳風のさらしや切り株、日を浴びて温かそうな平たい岩が設置されており、そこにランダムに現れるさまざまな「猫」のキャラクターを観察する。基本の遊び方はそれだけだ。
猫が喜びそうなおもちゃや餌を選ぶ項目があり、好みに合わせて庭先に設置する(有料アイテムもある)。
アプリを操作せず放置しておくと、いつの間にか猫が来ている。猫のキャラクターは現在49種類。どの猫がいつ現れるかは分からない。
出版社に勤める20代の女性は「家族から離れて寂しかったけど、いろんな猫ちゃんに手軽に会えて気持ちが和らぐ」と語る。
IT(情報技術)の助けで、ペットの飼育は一昔前に比べてやりやすくなったかもしれない。ただ、散歩したり、ふんを掃除したり、世話をきちんとすることが前提だ。新しい環境がペットにストレスにならないよう気を付けよう。
(メディア戦略部 飯島圭太郎)
[日本経済新聞夕刊2016年4月7日付]
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