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産業医、重み増す役割 健康指導を積極提案

メンタルや復職 ケア多岐

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NIKKEI STYLE

企業の従業員の健康を専門的な立場から守る産業医。制度開始から40年を超す中、求められる役割は変化してきた。メンタルヘルスの不調や生活習慣病をいかに防ぐか。闘病しながら働き続けられる職場環境は――。手厚い態勢でこれらに対処する企業もある。健康を巡る問題は身体にとどまらず、複雑化している。産業医のあり方の見直しを厚生労働省は検討中だ。

産業医は従業員50人以上の事業所で選任が義務付けられ、従業員の健康管理を担う。健康診断の実施やその後の指導、長時間労働者への面接などが主な役割だ。企業内診療所の担当医を兼ねる場合もある。

「仕事熱心な入社5年目の女性社員が同僚と食事しなくなり、ミスを挽回しようと疲労が蓄積。うつ病と診断され数カ月休業することになりました」。ブラザー工業の従業員が5年ごとに受講するメンタルヘルス研修。社内外で実際に起きた事案に基づき、自分や周囲がどうストレスに気付き、対処すべきかを学ぶ。

メタボ防止セミナー

研修のプログラム作成から実施まで一手に担うのが同社の健康管理センター。産業医4人と保健師6人が常駐する。産業医は社内外の医療機関での診療を掛け持ちしない専属だ。

2年半前には健康診断で「メタボ予備軍」と判定された従業員を対象に、カラオケ店で映像や音楽に合わせエクササイズを体験する健康セミナーを開催。2020年に社屋・工場の敷地内が屋外を含めて全面禁煙になる予定で、それに向け定期的な禁煙講座も担う。

上原正道統括産業医は「職場の健康上の課題を分析して解決する『攻めの健康管理』が産業医には求められている」と強調する。最近増えている、がんなどの手術後に職場復帰する従業員とは個別に面談。担当医や職場と連携して働き続けられるよう配慮している。

産業医制度は1972年、労働安全衛生法の施行に伴い始まった。基になったのは、工場から出る有害物質の管理や結核などの集団感染防止を目的として設置された「工場医」だった。

その後、従業員の健康問題は多様化した。00年代以降は過労による自殺などが社会問題になり、企業・産業医にとってメンタルヘルスのケアも重要になった。13年には希望者の65歳までの雇用を義務付ける改正高年齢者雇用安定法が施行。持病を抱えて働く人の増加が見込まれる。

守備範囲が広がる中、フェミナス産業医事務所(東京・千代田)は11人の産業医をIT(情報技術)企業など40社に派遣中だ。心身両面の問題に対応できるよう、医師の専門は内科か精神科。人員増減など環境の変化に対応できているか。出勤率の低下は職場のせいか、病気のせいか。面談を通じ原因を探り、必要なら専門医を紹介する。

セクハラ突き止める

ある女性社員がメンタルヘルスの不調を訴えたケースでは、背景に職場の飲み会でのセクシュアルハラスメントがあったことを突き止めた。石井りな代表は「終業後の従業員の行動にまで目を配るよう、企業に研修を行ったり、規定を作ったりしている」と話す。

奈良県立医科大の緒方奈保子教授(眼科学)はIT機器の多用にも注意すべきだと説く。パソコンやスマートフォンの画面などから出る「ブルーライト」は過剰に浴びると網膜や睡眠に影響が出るとされる。「産業医主導でライトを遮るめがねやフィルターの配布が必要」(同教授)

産業医に求められる役割の変化を受け、厚労省は昨年9月、「産業医制度の在り方に関する検討会」を設置した。医師や保健師、労働者の代表者らがメンバー。1~2年後をメドに報告書をまとめる予定だ。

会議で相次いだのは、製造業主体に設計された制度の柔軟化を求める意見だ。工場で危険物を扱うなど「有害業務」を想定し、産業医は月1回の事業所の巡視が義務付けられている。工場がない小売店など「サービス業はメンタルヘルス対策に時間を割けるようにすべきだ」と提案があった。一方で工場での粉じん対策などのため、専門コンサルタントなどを活用し産業医の業務を分散化するのが望ましいとの指摘も出た。

厚労省労働衛生課の担当者は「より時代に即して健康を守るためにふさわしい制度に変えていきたい」と話している。

◇     ◇

「専属で常勤」限定的

産業医が専属で常勤するのは大企業など一部で、診療所や病院に勤める医師が「本業」の傍ら請け負う場合が多い。

日本医師会は昨年9月、同会の認定産業医を対象にしたアンケート結果を公表。産業医として活動していると回答した2578人のうち、本業の診療業務と掛け持ちしている「嘱託産業医」が77%(1987人)を占めた。企業内診療所での業務なども担う「兼務産業医」は22%で、「専属産業医」は5%にとどまった。

産業医に割く時間は月に「2~5時間未満」が36.7%と最多で、「0~2時間未満」(23.4%)が続いた。フェミナス産業医事務所の石井りな代表は「かつては企業側とのやりとりがほとんどない『名ばかり産業医』もいた。企業と従業員のコミュニケーションギャップを埋め、職場環境や健康状態を改善できなければ意味がない」と話す。

(大西康平、山崎大作)

[日本経済新聞朝刊2016年4月3日付]

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