肌作り、保湿… 花粉症でも美しさ保つメーク術
マスク、滑らかな素材を
まず肌作り 保湿十分に
大阪市内で働く油井まどかさん(35)は2月になると、風邪予防も兼ねてマスクを着けて通勤する。「ファンデーションがマスクにつくのが不快だし、目がかゆくてこすることが増えるのでアイメークも極力したくなくなる」と話す。
普段よりメークが崩れやすくなるので、その対策が必要だ。まず、全体的になるべく薄めに仕上げることだ。「化粧は厚くなればなるほど崩れやすくなる。最小限の量で最大限の効果を出すのがマスクメークのポイント」と資生堂のヘア&メーキャップアーティストの豊田健治さん。
カギを握るのが事前の肌作りだ。「乾燥するとかえって脂っぽくなることがある。しっかり保湿することで、ファンデーションがきれいにつく」(豊田さん)
化粧水や乳液、クリームなどで保湿したら下地だ。「クマや赤み、乾燥などの悩みに合わせて下地クリームでカバーする」。ファンデーションはほぼ塗らなくて良い程度まで、下地やコンシーラーを塗っていく。
「肌が一番きれいに見える場所は目の下の三角形部分」。ここがきれいに仕上がるよう意識すれば、厚塗りの必要はない。
花粉症の人は涙で目の周りのメークも落ちやすくなる。崩れても目立たないようにするため、アイシャドーは肌に近いベージュやゴールドなどがお勧めだ。クリームタイプは花粉がくっついて症状を悪化させることもある。クリームタイプなら、上からパウダーを乗せるとよい。
マスカラやアイラインは涙に強いウォータープルーフタイプを選び、マスカラはまつげの根元につける。色が涙目でにじむのが気になるなら、部分用つけまつげがよいという。目尻だけ短いつけまつげをつければ「自然で簡単。化粧した感じが出る」(豊田さん)。
マスクで顔の大半が隠れると疲れているように見えることも。肌の血色を良く見せるチークは、マスクの上からのぞくよう、やや広めに入れると良い。「あまり上まで入れると幼い印象になる。マスクを外しても違和感がないバランスで」
資生堂の研究で、スギ花粉に含まれる物質が、乾燥や異物の侵入を防ぐ肌のバリア機能を低下させることが分かったという。「スキンケア用品などで花粉が直接肌につかないよう守ってほしい」(資生堂リサーチセンターの伝田光洋主幹研究員)。男女とも外出時には下地クリームや日焼け止め、ファンデーションなどで防ぐよう心掛けたい。
マスク 滑らかな素材を
花粉だけでなく、インフルエンザや風邪の予防、微小粒子状物質PM「2.5」を防ぐためにマスクを着ける女性が増えている。化粧崩れしにくいマスクはどう選べばいいのだろうか。
マスク製造大手、玉川衛材(東京・千代田)製品開発部の松浦孝伯さんは肌触りの良い素材を勧める。「ザラザラとした物は、こすれて化粧がつきやすい。摩擦の少ない滑らかな素材なら、化粧の油分が落ちにくい」という。全く落ちないというのは難しいが、摩擦を減らす工夫をしよう。
サイズ選びも大事。きつすぎるなど顔の大きさに合わないと、さらに余計な摩擦が生じる。日本衛生材料工業連合会(同・港)が勧める選び方は、(1)親指と人さし指でL字型を作る(2)耳の付け根上部に親指の先端を当て、眉間の少し下の鼻の付け根から1センチ下に人さし指の先を当てる(3)親指から人さし指までを測る。長さが9~11センチなら子ども用、10.5~12.5センチなら小さめ、12~14.5センチならふつうなどだ。
「女性にはピンク色や香り付きもお勧め」(松浦さん)。ピンクは肌色を明るく見せ、香りで気分も前向きになれる。
(関優子)
[日経プラスワン2016年2月20日付]
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