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スーツ・シャツ オーダーメードで賢く、就活・入社に備え新調 ポケット 好きな深さ・幅に

2016/2/4 日本経済新聞 夕刊

今の時期、就職活動や入社式などに備えてスーツを新調する人は多いだろう。だが、既製服では体形に合うスーツやシャツが見つからず、選ぶのに苦労している人もいるはず。そうした場合は、オーダーメードにしてみてはどうだろう。オーダーのメリットや購入する際のポイントをまとめた。

病院で働く管理栄養士の竹田浩司さん(仮名)は身長165センチとやや小柄だが手が長く、スーツ選びで苦労している。「袖丈に合わせてMサイズのジャケットを選ぶと着丈が長く、間延びした感じになってしまう」という。

■先に予算伝える

スーツやシャツを買う時は既製服でサイズが近いものを探し、多少合わない部分には目をつぶるか、直して着る人も多いだろう。だが、竹田さんのような人は、オーダーメードが向いている。オーダーならジャストサイズなので見栄えもよく、自分なりのこだわりも盛りこめるからだ。

銀座山形屋(東京・中央)の土手裕基さんは「サイズの悩みを抱えて来店する人は多い」と言う。「既製服を買って有料で丈を詰めたり縫い直して着たりするなら、最初からオーダーするほうが仕上がりもきれいで、かえって割安になることもある」と勧める。

有料で丈を詰めるより最初からオーダーする方が割安になることも

オーダースーツは一から作るフルオーダーもあるが、ベースの型紙を補正しながら作るカスタムオーダー(イージーオーダー)の方が手ごろだ。シルエットを決めて生地を選び、ボタンや裏地などを選んで最後に採寸をする。フルオーダー以外は仮縫いはない。予算を伝え、どんな場面で着るのか、好みのフィット感は、などを確認したうえで選ぼう。

オーダースーツの価格は生地の種類やボタンなどのオプションで異なるが、同店の場合、カスタムオーダーだと男性は4万9000円(税別)から。女性のスーツは既製品を基に補正して作るパターンメード方式で、スカートスーツが3万8000円(同)からだ。

オーダーならではのメリットは、自分仕様にカスタマイズできること。「ジャケットで一番遊べるのが裏地。きれいな色柄を選ぶ人もいて、打ち合わせで盛り上がる」(土手さん)。ボタンホールの色などでさりげなく自己主張することもできる。

■裏側に名刺入れ

「女性がパーティーなどですぐ取り出せるようにジャケットの内側に名刺入れ用ポケットをつけたり、ペン差しをオーダーしたりすることもある」と土手さん。既成のポケットもスマートフォン(スマホ)用、小銭入れなど「ある程度なら好みの幅や深さに調整することも可能」(土手さん)だ。仕事に合わせて使い勝手のいい1着を作れる。

ただ、店によってできること、できないことがあるので、こだわりたいポイントがあれば最初にできるかどうかを確認しよう。

オーダーシャツも店によってフルオーダーからパターンオーダーまで様々だが、生地やデザインを選んで細かい仕様を決め、採寸という流れが基本だ。

三越日本橋本店(東京・中央)・紳士オーダーのアシスタント・セールスマネージャー、板屋秀胤さんは「背が高くて手が長い若者が増え、既製品では袖丈が短すぎるとオーダーシャツを選ぶ人が増えた」と話す。「『同じ白でも差をつけたい』『プレゼンなど勝負の場で着たい』と具体的なイメージをもって来店する人も多い」(板屋さん)。

就職活動に備えてスーツ売り場に足を運ぶ人も多いだろう。就職活動コンサルタントの高田晃一さんは、就職指導を受けに来る学生にはまずオーダースーツを作るように助言している。「就活スーツで一番大事なのはサイズの合った物を選ぶこと。ダブダブだったりしわの寄ったスーツだとマイナス評価になることがある」(高田さん)からだ。

就活用には黒のスーツが主流だが、土手さんは男女ともに濃紺を薦める。「濃紺なら式典にも使えるし、入社後も黒より使いやすい」のが理由だ。説明会や面接で連日スーツを着ることもあるので、生地を傷めず長く着られるように、スカートやパンツはスペアを作って交代で着るといい。

オーダーしてから出来上がるまでの期間は店によって異なるが、3~4週間程度が標準的だ。ただ、繁忙期やゴールデンウイークなどの長期休暇をはさむ場合などは5週間以上かかることもある。就職活動や入社式など予定が決まっている場合は、早めに注文した方がよさそうだ。

(ライター 加納 美紀)

[日本経済新聞夕刊2016年2月1日付]

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