簿記や英会話…今年こそ! 賢い勉強法で脱・三日坊主期限・目標を決める 仲間作り切磋琢磨

「英会話ができるようになる」「日商簿記にチャレンジする」「ビジネス書を100冊読む」――。新年を迎えるたび「今年こそ勉強するぞ」と決意するビジネスパーソンは多いだろう。だが、仕事が忙しかったり、プライベートの予定が入ったりして、継続できなかったという経験を持つ人も少なくないだろう。「三日坊主」を克服するにはどうすればいいのか。
隙間時間を活用しスマホアプリなどで学習する

学習を続けるためのコツはいくつかある。

一つ目は「期限を区切ること」だ。経営学者のピーター・ドラッカーは、「3年3カ月勉強法」という方法で60年以上も学習を続けた。「ドラッカー流 最強の勉強法」の著者でノンフィクション作家の中野明さんによれば、「3年3カ月勉強法」とは一通り理解したいテーマを3年単位で、とりあえず概略を把握したいテーマを3カ月で学ぶ方法。両方の学習を同時並行で進める。

テーマに応じ期間を区切ったことによって、ドラッカーは長年、学習を継続することができた。「今年から頑張る」をやめ、期間限定で取り組んでみてはどうだろう。

2つ目のコツは目標設定の仕方だ。同時通訳者の小熊弥生さんは「高すぎる目標や漠然とした目標はNG」と指摘する。「ネイティブと同じように英語がしゃべれるようになる」では途中で息切れしてしまう。「登山に慣れていない人がいきなりエベレストに登ろうとしても無理。まずは簡単な目標を立てよう」と小熊さんは言う。

最初は「英語で自己紹介する」だけでもいい。そこから「会社概要を説明する」「商品の説明をする」などと徐々に目標のレベルを上げる。「目標を達成することによって、次の挑戦に対する意欲が湧く」(小熊さん)

期限と目標をはっきりさせたら、記録しておく。書き出すことで自分との約束を簡単に破れなくなる。結果と比べて反省材料にもできる。手帳やスマートフォン(スマホ)のメモ帳機能などを使い、いつでも見られるようにしておこう。

■隙間時間を活用

問題はどうやって勉強時間を確保するかだ。小熊さんは短大卒業後、毎日3つのアルバイトを掛け持ちしながら勉強し、TOEICスコアを280点から950点に伸ばした。まとまった勉強時間がとれないので、隙間時間を活用したのだ。

「待ち合わせのときペーパーバックを読む」「信号待ちの間、財布に入れた単語カードを見る」「エスカレーターで英語のスピーチをシャドウイング(音声を聴いて復唱すること)する」「飲食店で料理が出るのを待ちつつ英語のニュースサイトを読む」といった具合だ。「1分間、5分間という短い時間だったからこそ集中する習慣がついた」と小熊さんは振り返る。

教材の選び方には注意を払おう。最初は難しいテキストを避け、取り組みやすいものを選ぶ。慣れてきたら難しいテキストに挑戦する。ただ、つらくなったらいったん中断し、簡単なものに戻る。語学系なら好きな音楽や動画で学ぶなどすれば、やる気が復活しそうだ。

勉強仲間の存在は継続の助けになる。友達とつながりながら勉強できるのがスタディプラス(東京・渋谷)が運営するSNSサイト「Studyplus」だ。ユーザーは約150万人で、このうち社会人は60万人ほど。「自分と同じテーマの勉強をしている人などと友達申請し合うことができ、タイムラインの投稿に対して、コメントや『いいね』などでやり取りできる」(同社代表取締役の廣瀬高志さん)

問題を教え合ったり、教材について情報交換をしたりと、助け合えるのが利点だ。

忙しくて勉強できない日が続いた場合はどうすればいいのか。小熊さんは「罪悪感を持たないことがカギ」という。「明日から頑張ろう」と気持ちを切り替えよう。その際、お手本にしている人、実現したい場面を思い浮かべるといい。「A先輩のように国際会議でプレゼンテーションできるようになる」などだ。

図書館や勉強している人がたくさんいるカフェなどに行き、やる気をかき立てるのも手だろう。

■頑張りにご褒美

完全に飽きてしまった場合は、「まだ勉強に着手していないと想定したうえで『今からでもそのテーマに取り組むか』を考えては」と中野さん。答えがノーなら思い切ってやめる。勉強できず自己嫌悪に陥っている暇があったら新しいテーマに取り組んだ方がよい。

意外に効果があるのは「目標を達成したときのご褒美」。「あと10分頑張ったらお茶にしよう」といった日々のご褒美、「3カ月の目標を達成したから新しいスマホを買う」など長期の頑張りへのご褒美を設定すると達成感が得られる。

学習継続の最大のコツは受け身で学ばないこと。テキストを買った、スクールに入ったで安心するのではなく、自分なりに学ぶ戦略を立てることがやる気につながる。

(ライター 西川 敦子)

[日本経済新聞夕刊2016年1月25日付]

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